妻殺害で懲役20年求刑、白浜・水難偽装殺人罪の夫
2021年03月16日 16時26分
4年前(2017年)の7月、白浜町の海水浴場で、シュノーケリングをしていた妻を水難事故に見せかけて殺害したとして殺人の罪に問われた夫に対する裁判員裁判がきょう(3/15)結審し、検察側が懲役20年を求刑した一方、弁護側は無罪を主張しました。
起訴状などによりますと、大阪市天王寺区の野田孝史(のだ・たかし)被告32歳は、2017年7月18日の夕方、白浜町の「臨海浦海水浴場」でシュノーケリングをしていた妻の志帆(しほ)さん当時28歳の体を何らかの方法で溺れさせ、2日後に低酸素脳症で死亡させたとされています。
きょうの論告で、検察側は、殺害方法について、「志帆さんの胃に砂が見つかり、その後の検証で相当量の砂があったとみられることから、野田被告が、志帆さんの顔を浅瀬で砂に押し付けた」としました。また、犯行の動機について、「野田被告は、当時、不倫関係にあった女性が妊娠し、この女性には結婚を約束する一方、妻の志帆さんには「中絶させて別れる」と矛盾する約束を交わし、その期限が迫る中で、多額の保険金がかかった妻を殺害した」と指摘しました。そして、「犯行は卑劣や非道という言葉では足りないほど極めて悪質」として、野田被告に対し、懲役20年を求刑しました。
これに対し、弁護側は、「志帆さんは、シュノーケリング中のアクシデントで、シュノーケルから、砂のかたまりを飲み込んでパニックになった可能性がある」として事故の可能性を指摘し、「事件かどうか疑わしい」として無罪判決を求めました。
裁判の結審にあたり、野田被告は、「僕は志帆ちゃんを殺してはいません」と述べ、あらためて無罪を主張しました。
判決は、今月(3月)23日に言い渡されます。