和歌山県はきょう（１／６）、新型コロナウイルスに感染して入院していた６０代の男性１人が死亡し、１０代から８０代までの１８人の感染が、県内で新たに確認されたと発表しました。きのうに続いて１日あたりの最多感染者数を更新し、県内の累計感染者数は６９６人、死者は８人となりました。

死亡したのは、大阪府に住む６０代の無職の男性で、去年１１月１８日に発熱の症状で県内の医療機関を受診し、ＰＣＲ検査で陽性が判明して、そのまま入院していましたが、１週間後に病状が悪化し、集中治療室に入り、人工呼吸器をつけるなどの治療を受けていました。先月（１２月）１８日には、ＰＣＲ検査で陰性となっていましたが、その後も新型コロナウイルスによる肺炎の症状が悪化し続け、きょう午前１１時５９分、新型コロナウイルス感染症重症肺炎で亡くなりした。

一方、県内で新たに感染が確認された１８人のうち、いずれも和歌山市に住む８０代の無職の男性２人と５０代の無職の男性のあわせて３人は、先に職員や利用者の感染が判明している和歌山市のサービス付き高齢者住宅の入所者で、この施設で働く岩出保健所管内の３０代の女性会社員の感染も判明しました。このサービス付き高齢者住宅の関連で、３人の職員と４人の入所者のあわせて７人の感染が判明したことになり、県は、この施設を県内１８例目のクラスターと認定しました。いまのところ、すべての検査対象者を把握できているとして、施設名を公表していません。

また、和歌山市在住で県内の中学校に勤務する２０代の教職員の男性は、すでに感染が判明している愛知県から帰省していた２０代の男性会社員とともに、正月休みに屋内の遊技場でマスクを着けずに夜通し一緒にいたということです。

橋本保健所管内の２０代の女性会社員は、先月２５日から別居家族のいる名古屋市へ出かけ、今月３日に帰宅した後、４日から発熱などの症状が出て医療機関で感染が判明しました。

また、大阪府在住の２０代の男子大学生は、先月２６日から和歌山市へ帰省していましたが、数人の友人と飲食をともにし、のどの痛みを発症した今月１日も、友人とカラオケをしていたということです。

県福祉保健部の野尻孝子（のじり・たかこ）技監は、「県外から来たり、県外へ出かけたり、県内で飲食をともにするなど活発に行動することで、感染が広がっていて、今後も感染拡大が懸念される。新たに発生したクラスターには、基礎疾患を持つ人もいるので、医療だけではなく介護も必要になり、入院先の医療機関の負担が非常に大きくなる」と懸念を示した上で、「医療機関や介護福祉施設、障害者施設での感染を防がないと、他府県のように医療がひっ迫した状態になってしまう」と危機感をあらわにし、施設で働く人に十分、注意するよう、あらためて呼びかけました。

このほかの感染者は、和歌山市在住では、すでに感染が判明している友人と、朝まで食事をともにするなどした専門学校に通う１０代の男性と２０代のアルバイトの男性、別居家族から感染したとみられる１０代の男子小学生、それに７０代の無職の女性と８０代の無職の男性が確認されています。

また、京都市へ部活の遠征に出かけて感染したとみられる高校生の親族で湯浅保健所管内に住む１０代の男子高校生、年末に仕事で４日間、大阪へ出張していた田辺保健所管内に住む６０代の会社役員の男性、いずれも橋本保健所管内在住で年末に大阪市へ出かけて知人と外食していた２０代の女性保育士と大阪市内の学校に勤務する６０代の男性、御坊保健所管内在住で、施術所で事務員として勤務する２０代の女性、東京から海南保健所管内へ帰省していた１０代の男子大学生も新たに感染が確認されています。

岩出保健所管内に住む５０代の女性看護師は、勤務先の大阪府の病院でＰＣＲ検査を受けたため、和歌山県内での感染確認とはなりませんが、県内の医療機関に入院して治療を受けています。

きょう感染が発表された１８人は、全員、入院していて、無症状の３人を除いた１５人の症状は安定しています。

また、１日あたりの発表感染者数としては、過去最多を更新したきのうの１７人を上回り、これまでで最も多くなりました。

新たな感染者の居住地域は、和歌山市在住が９人、橋本保健所管内が３人、東京と大阪の県外が２人、岩出保健所管内と湯浅保健所管内、御坊保健所管内と田辺保健所管内でそれぞれ１人ずつとなっています。

入院している患者は、きょう９人減ったものの、現在、９２人で、これまでの最多を更新しています。

また、亡くなった人も１人増え、県内の累計感染者数は、死亡した８人を含めて６９６人となっています。