「鳥獣害対策アドバイザー」16人を新たに認定
2020年12月17日 20時08分
イノシシやシカなどの野生鳥獣による農作物の被害を減らすため、農家などに助言するアドバイザーの育成研修は、きょう(17日)和歌山市の県民文化会館で今年度の修了式が行われ、新たに16人がアドバイザーに認定されました。
この研修は、和歌山県とJAグループ和歌山農業振興センターが2006年度から実施しているもので、市町村と農業共済組合、農業協同組合の職員が対象です。研修では、5回にわたる専門的な研修を受講し「わな猟免許」を取得することで、鳥獣被害防止のための専門的な知識を習得した「和歌山県農作物鳥獣害対策アドバイザー」として認定されます。
修了式では、県農業環境・鳥獣害対策室の出﨑美晴(でざき・よしはる)室長から修了した人たちに認定証が授与されました。
このあと、出﨑室長が「県内の鳥獣害による農作物の被害は平成24年度以降減少傾向ですが、年間の被害額は3億円を超えていて、経済的な損失に留まらず、農家の営農意欲の低下に繋がる、深刻な問題となっています。アドバイザーとなった皆さんには、今回学んだことをもとに、鳥獣害対策に関する的確な助言や指導など、地域における積極的な活動を大いに期待しています」と話しました。
また、認定者を代表して、JAありだ有田市営農センターの竹田耕平(たけだ・こうへい)さんが挨拶し、「研修を受講することで、県内の鳥獣害被害の大きさをあらためて認識し、その原因となる鳥獣の生態や特徴について専門の先生からご指導いただき、知識を深めることができました。今後は、県内全域に及ぶ農作物の被害軽減という課題に向かって、地域の人に的確な助言ができるアドバイザーとして活動していきたいと思います」と話しました。
修了式のあとには、農研機構中央農業研究センターの平田滋樹(ひらた・しげき)さんが、「被害対策技術の基本から地域ぐるみの対策の重要性」と題して講演し、鳥獣害の増加要因や地域における具体的な対策方法などについて話しました。
「和歌山県農作物鳥獣害対策アドバイザー」は、今回の認定者を含めて、147人となりました。