JR西日本・紀勢線の白浜~新宮間利用増厳しい状況「この夏が勝負」/和歌山

2026年06月09日 17時58分

交通社会経済

利用者数の減少傾向が続いているJR紀勢線の白浜・新宮間について、国や和歌山県などと列車の本数を増便する実証実験を行っているJR西日本・和歌山支社は、それに見合う利用客数の増加が見られないとして「この夏が勝負」として、挽回を目指して利用客数の増加にさらに力を入れる考えを示しました。

きょうの記者発表のもよう(6月9日・和歌山市美園町)

JR西日本によりますと、紀勢線の新宮・白浜間の1日あたりの輸送密度は2024年度が960人と、1987年度のピーク時の4123人に比べて23・3%にまで落ち込んでいて、100円の利益を得るのに650円かかる計算で、将来的な維持が厳しい線区のひとつにあげています。

これを受け、2022年度に県と沿線の市町村などと協議会を発足し、2024年度に国の事業を活用して学生団体向けの乗車券・特急券の全額補助を行ったのを皮切りに、去年(2025年)11月からは、特急くろしおを増便する実証実験も行っていて、WESTER()ポイント還元や、駅の駐車場料金の無償化などに取り組んでいます。

しかし、去年11月からことし4月までの半年間で、月平均の1日あたりの利用者数は474人と、通年目標の1040人を大きく下回っています。

JR西日本・和歌山支社の富澤支社長

JR西日本・和歌山支社の富澤五月()(とみざわ・さつき)支社長は「実験開始当初は良い滑り出しと思っていたが、半年間で平均すると伸び率が芳しくなく、大変厳しい状況だ。地元住民に選ばれていない原因を改めて検証しつつ、協議会との連携をさらに深めていく。国の事業の期限は2026年度で、この夏が勝負の時。夏のハイシーズンに利用者数の増加に力を入れて、エリア外からの誘客も促進する。もう何も持ち合わせていない。ただひたすらに頑張るだけ」と述べ、これまでの実証実験に加えて、来月(7月)31日でデビュー30周年を迎える「オーシャンアロー」車両のイベントや、JAL・日本航空と連携して熊野白浜リゾート空港も活用した周遊エリアパスの販売などを行って、エリア外からの利用者数を増やす取り組みに力を入れる方針を示しました。

また、JR北海道が採算性の低い路線の維持策として、沿線の自治体が線路や施設の維持管理を担う上下分離方式の導入を提案したことに関連して、富澤支社長は「JR西日本としては今のところ何も考えていない。弊社だけで決められることではない」と述べました。

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