最後の洋上慰霊、神戸帰港 11日間の船旅終わる

2025年06月11日 14時38分

イベント歴史・文化

戦後80年で終了する日本遺族会主催の「洋上慰霊」の船が台湾海峡やフィリピン沖を巡り、紀の川市の阪中進(さかなか・すすむ)さんが海軍通信兵だったという父が眠る海域洋上で祈りを捧げ、きょう(11日)、神戸港に帰港しました。

「洋上慰霊」の船は11日間の船旅で、台湾海峡やフィリピン沖を巡り、合計9回の船上慰霊祭を開いて218人の遺族らが海に眠る戦没者らに祈りをささげました。

船は1日に神戸港を出港し、戦艦大和や武蔵の沈没海域も航行しました。

船内では、戦争の実相を語り継ぐ「語り部研修」も行われ、6日のフィリピン・マニラへの寄港時は、船内で現地の子どもたちや政府関係者らとの交流も行われました。

紀の川市の阪中進(さかなか・すすむ)さん84歳は、海軍通信兵だったという父が眠る海域に差しかかった時に「お父さん、来ましたよ」と心の中で祈ったことを明かしました。

日本遺族会の水落敏栄(みずおち・としえい)会長は「参加者はみな、積年の思いを果たせたのでは」と思いやりました。

洋上慰霊は、日本遺族会が1991年度に始めた「慰霊友好親善事業」の一環で、事業は遺児の高齢化を理由に2025年度で終了し、本年度は他に2回のフィリピン訪問を予定しています。

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