鶴屋忠彦6月30日で終了へ あしべもなかや若アユ

2025年05月26日 18時28分

社会

あしべもなかや、若アユなどで知られる和歌山市の和菓子店、鶴屋忠彦(つるや・ただひこ)が、来月(6月)いっぱいで、75年の歴史に幕を下ろすことになりました。

神田さん

社長の神田隆司(かんだ・たかし)さんは、71歳という年齢からくる体力面の厳しさから、閉店を決めました。

鶴屋忠彦は、神田さんの父、忠彦さんが、戦前、和菓子店の「総本家、駿河屋」に勤めた後の、昭和25年頃に創業し、ことしで75年になります。

神田さんは、大学卒業後、すぐ菓子職人の道に入りました。

2年ほど京都の和菓子屋で修行をして和歌山へ戻り、父のもとで職人をしていましたが、45歳の時、父の急逝に伴い、2代目として鶴屋を引き継ぎました。

神田さんは、当時を振り返り、「自分の作った菓子を食べてもらえる。最初の頃は、それが本当にうれしかった」と懐かしみます。

体力面の厳しさを感じながらも菓子と向き合ってきた中でのコロナ禍によるダメージは大きかったものの、コロナ禍が明け、景気の回復を感じられたことで、もう少し頑張ろうと、奮い立たせてきたということですが、1年ほど前に閉店を決め去年7月、得意先に伝え始めました。

それ以降、来店客数が増えているほか、様々な注文があり、それをこなすために、いくつかの商品が欠品になってしまうほどの状況だということです。

また、お茶菓子である上生菓子を扱う店が和歌山市は少ないため、メインの得意先である茶道の先生たちが、代わりの店を探すことに苦労しているということで、神田さんは「本当に申し訳ない」と話していました。

「季節感を大事にしなければ、いい菓子は作れないことを先代から学んだ」と話す神田さんは、和菓子職人としての残りの日々も、これまでと変わらず、季節感を大切に週がわりのお茶菓子を作ります。

このほか、店頭には、この季節ならではの菓子である、黄味あんの生菓子「青梅」や求肥(ぎゅうひ)という柔らかいもちを卵の風味豊かな生地でくるんだ「若あゆ」が並んでいるということです。

和菓子店の鶴屋忠彦は、6月いっぱいで店を閉めることにしています。

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