国内パンダ「ゼロ」現実味、白浜では来場客の長い列
2025年05月25日 18時54分
白浜のジャイアントパンダ4頭が、来月(6月)28日に、中国に返還されることが決まり、東京・上野動物園の2頭も、来年(2026年)2月に貸与期限を迎えることから、国内のパンダがゼロになる可能性が現実味を帯びてきました。パンダの貸与は外交案件とされ、中国側との交渉の行方は、見通せない状況です。
白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」は、きのう(24日)・きょう(25日)と、返還前の隔離検疫を控え、パンダを直接見られる最後の週末となりました。あす(26日)からは、ガラス越しでの対面になるとあって、連日、来場客らが長い行列を作っていました。
家族で来園した大阪市の70代の女性は「いなくなってしまうなんて信じられない。本当に寂しい」と涙ぐみながら話していました。
パンダは、1972年、上野にカンカンとランランが来日し、ブームが到来、白浜には1988年、日中平和友好条約締結10周年を祝して2頭が来園、1994年からは、中国側とアドベンチャーワールドの繁殖プロジェクトが始まりました。
雄(オス)の永明(エイメイ)が16頭の子をもうけたこともあり、中尾建子(なかお・たつこ)副園長は「繁殖実績は中国側から評価されている」と話しています。
現在施設で飼育されているパンダは、24歳のお母さんパンダ良浜(ラウヒン)と、いずれもその子どもで雌(メス)の結浜(ユイヒン)8歳、彩浜(サイヒン)6歳、楓浜(フウヒン)4歳で、この週末も、良浜と彩浜は、屋外運動場の遊具の上に寝そべり、結浜と楓浜は、のんびりとした様子で竹を食べるなどしていました。
検疫期間中は、園内の2か所でそれぞれ公開され、出発は6月28日で、この日のうちに中国に到着する予定となっています。アドベンチャーワールドでは、返還日前日に、4頭を送り出すセレモニーを開催することにしています。