千日詣りで乙姫行脚を再現、主役らお披露目、紀三井寺で/和歌山市

2025年05月20日 21時10分

イベント歴史・文化

和歌山市の紀三井寺で、8月9日の「千日詣(せんにちまい)り」の日に、その由来となった伝説「龍宮乙姫龍灯(りゅうとう)献上行脚」が再現されますが、このほど、その主役となる乙姫役らが決まり、お披露目されました。

お披露目された乙姫役の岸部さん(左から2人目)と女官役

今年の主役、龍宮乙姫役は、和歌山市の県立和歌山商業高校1年、岸部杏(きしべ・あん)さん15歳で、この日、お付きの女官役とともに、本堂で祈祷を受けました。

紀三井寺本堂で祈祷を受ける乙姫役と女官役の女性たち

伝説は、紀三井寺の開山に関わるもので、奈良時代、唐から日本に渡った為光上人(いこうしょうにん)が、大般若経を写経し、観音霊場を建立した際、乙姫が現れて、これを喜び、この日、8月9日に、毎年、海の中でも消えない龍灯を献上するため、龍宮から訪れると告げました。紀三井寺では、8月9日は、一日詣れば、千日の功徳が得られる「千日詣り」という特別な日になっていて、この日に、和歌浦方面から望むと、本堂の左上に明かりが灯り、これが乙姫が献上した龍灯で、心の美しい者だけに見えるとされています。この故事を再現するのが、
「龍宮乙姫龍灯献上行脚」で、2017年から毎年行われ、コロナによる中断をはさんで、今年6回目となります。

舞の練習風景

今年の主役、6代目乙姫役の岸部さんは、「去年の乙姫を見て、とてもきれいで見入ってしまい、私もやりたいと思って応募しました。選ばれたからには、最高の乙姫を演じたいです」と話しました。

また、乙姫に従う女官役の一人、和歌山市の和歌山信愛短期大学1年、中嶋桃花(なかしま・ももか)さん23歳は「2回目の挑戦で無事、選ばれてうれしいです。乙姫様のサポートができるよう精一杯がんばります」と話しました。女官役にはほかに、東京医療保健大学2年の木脇陽菜(きわき・ひな)さん19歳と、和歌山信愛大学2年の角倉愛菜(すみくら・あいな)さん19歳、それに、和歌山市出身の専門学校生、井畑和嘉奈(いばた・わかな)さん20歳も選ばれています。

乙姫役の岸部さんらは、今後、日本舞踊などの所作を学び、本番に備えます。

紀三井寺の前田泰道(まえだ・たいどう)住職は、 「ぜひ、千日詣りにお越しいただき、乙姫行脚をご覧ください」と話していました。

「龍宮乙姫龍灯献上行脚」は、8月9日午後8時から紀三井寺の本堂前などで行われます。

WBSインフォメーション

投稿を取得できませんでした

WBSショッピング55

投稿を取得できませんでした