昭和天皇の紀南への行幸(ぎょうこう)を記録した映画に南方熊楠(みなかた・くまぐす)の姿があることがわかり、田辺市の南方熊楠顕彰館では、企画展で紹介することになりました。

この記録映画は、１９２９年の昭和天皇の紀南行幸を撮影したもので、当時の文部省が作成し、国立映画アーカイブ「歴史映像ポータル」で、去年（２０２４年）秋に公開されました。

映像には、白浜町での奉迎(ほうげい)の様子や、田辺市の神島(かしま)訪問などが記録され、音声はありませんが、神島で昭和天皇を迎える熊楠の姿があり、随行員たちとの歓談や、天皇への説明の様子など、精悍な表情を見ることができるということです。展示では、白浜行幸や神島の自然、昭和天皇の生物採集、随行の面々などが紹介されます。

企画展「映画の中の南方熊楠　新出(しんしゅつ)映像『天皇陛下関西行幸』をめぐって」は、今月（５月）３１日から来月（６月）２９日まで、田辺市の南方熊楠顕彰館で開催されます。観覧は無料です。また、来月１日の午後２時からは、
企画展担当者や大学教授らによるに展示解説、ギャラリートークが行われます。