元・和歌山県の土木技術職員が水防業務を著書に

2025年04月14日 18時31分

災害・防災社会

土木技術職員として、2011年の紀伊半島大水害をはじめとする和歌山県内の自然災害に対応してきた元・和歌山県職員の男性が、30年以上にわたる研究成果を著書にまとめ、今月(4月)21日に出版することになりました。

本のタイトルは「雨が降ったら仕事が始まる 地方公務員の水防業務」で、著者は、和歌山県の土木職員として30年以上にわたって勤務し、現在は、和歌山市の豊(ゆたか)工業所で技術顧問を務める太田和良(おおた・かずよし)さんです。

太田さんは、大阪大学工学部の土木工学科を卒業した1987年、和歌山県の土木職として入庁し、以来、河川や道路、港湾などの公共土木施設の整備に携わるかたわら、防災に関する業務にも尽力しました。

とくに、2011年9月の紀伊半島大水害では、孤立集落の把握と対応や、道路の不通と応急復旧などにつとめ、在職中、実際の県の災害対応方針を整理するなど、研究を深めました。

著書では、これらの研究による考察をはじめ、太田さんが経験した災害時の県の対応、それに、将来高い確率での発生が懸念される南海トラフ巨大地震など、行政に求められる大規模災害時の組織運営のあり方などを、項目ごとにまとめています。

さらに、これから土木系の職員として公務員を目指す人に向けての心得なども書き記しています。

太田さんは「一刻を争う場面での判断と実行を支えるにはどのような組織のあり方が求められるのか、公務員だけでなく、様々な立場の人にとっても災害対応の危機管理の参考にしてもらえたら」と話しています。

太田和良さんの著書「雨が降ったら仕事が始まる 地方公務員の水防業務」は、大阪市の東方出版から、定価2200円で4月21日に出版される予定です。

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