県の審議会・臨時教員採用試験の選考基準「公開」の答申示す

2025年04月07日 18時22分

教育社会

正規教員の採用試験の選考基準に関する情報をこれまで非公開としてきたのはおかしいとして、和歌山県教育委員会に開示請求した県立高校の元・臨時教員に対し、県の審議会は、このほど(3月24日)一転して全面的に「開示」すべきとの答申を示しました。

これは、臨時教員を支援する市民団体「臨時教職員制度の改善を求める全国連絡会」が、きょう(4月7日)和歌山県庁で記者会見を開いて明らかにしたものです。

全国連絡会によりますと、16年間県内の公立高校で勤務してきた40代の元・臨時教員は、正規教員の採用試験を繰り返し受け続けましたが、いずれも不合格とされました。

元・臨時教員は、採用試験での面接や体育実技などの評価基準が知りたいと、県教育委員会に、おととし(2023年)10月、情報の開示請求しましたが「事務の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがある情報」だとして、非公表とされました。

その後、この元・臨時教員は、去年(2024年)3月末で任用を止められ、4月4日に突然電話で解雇を通知されました。

臨時教員は、これを不服として全国連絡会の支援を得て、去年1月、再び審査請求を行い、反論書の提出や意見陳述を行って異議を訴えた結果、県の審議会は、先月(3月)24日、一転して、非公表だった部分を含む採用基準のすべての情報を「開示」するべきと答申したものです。

元・臨時教員は「なぜほかの県や市では開示されているのに和歌山では開示されていないのか。私のような臨時教職員は、正規教員の病欠や産休・育休が出て学校から直接依頼が無い限り、働くことが出来ない。私を含めてなぜ多数が“不合格”になっているのか、受検者としてどうしても知りたかった。今回の答申が和歌山県の教員採用試験制度の改善と、臨時教員の勤務経験が公正・適正に評価され、正規採用で安心して教育活動が出来る状況になって欲しい」と話しています。

県教育委員会では、この答申を受けて、全国連絡会に対し近日中に対応を明らかにするとしていますが、具体的な時期はわかっていません。

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