湯浅醤油有限会社がフランスで醸造の醤油・ビジネスアワード受賞
2025年03月05日 21時57分
湯浅町(ゆあさちょう)の湯浅醤油有限会社が、在日フランス商工会議所主催の「フレンチビジネスアワード」で、優れた品質と国際貢献に寄与した企業に贈られる「クー・ド・クール賞」を受賞しました。

湯浅醤油有限会社は1881年創業の醤油醸造元で「九曜(くよう)むらさき」や「生一本黒豆(きいっぽん・くろまめ)」などの本格醤油を手掛けています。
東日本大震災のあった2011年以降、一時、日本の食料品の輸出が制限され、醤油の販路が途絶えたのをきっかけに、新古敏朗(しんこ・としお)社長の発案で、フランスのワイン醸造元でフランス産醤油の醸造に挑戦しました。
フランス・サンテミリオンの老舗ワイナリー「シャトー・クーテット」が所有するワイン樽やブドウ圧搾機を転用して、フランス産有機栽培の大豆と小麦、天然塩、それに湯浅から持ち込んだ麹で仕込んだ、フランス産濃口醤油「SHINKO NOIRE(シンコ・ノアール)」と、白醤油「SHINKO BLANCHE(シンコ・ブランシュ)」が完成し、これらの味わいがフランスの料理人や家庭の好評を博しました。いまでは北米やトルコなどからも受注が相次ぐヒット商品となり、受賞につながりました。
このほど(3月4日)新古社長が和歌山県庁の岸本周平知事を表敬訪問し、受賞を報告しました。
に受賞を報告した湯浅醤油の新古社長(左)(3月4日・和歌山県庁・知事室).jpg)
岸本知事は「輸出がダメならフランスで醤油を作ってしまおうという新古社長の発想力と行動力に脱帽だ」と賞賛し、大阪・関西万博の和歌山ゾーンでの出品を促しました。
新古社長は「肉料理やスープなどに、醤油をほんの少したらすだけでコクやまろやかさが生まれることを知らなかったフランスの人々に、革命的な発見をもたらした」と喜びを語り、湯浅発祥の醤油の国際化にますます意欲をみなぎらせていました。