田辺市認可外託児所乳児死亡事故・検証委が和歌山県に報告書提出
2025年02月14日 18時16分
おととし(2023年)7月、田辺市の認可外保育施設で、当時生後5か月の大阪府の女の子がうつ伏せになって意識不明の状態で見つかり、その後、死亡した事故について、和歌山県が設置した外部の有識者による重大事故検証委員会は、きょう(2月14日)検証報告書をまとめ、施設側の慢性的な人員不足による保育体制の不備や、行政側の調査・指導体制の不備を指摘しました。
に手渡した検証委の森下委員長(左)(2月14日・和歌山県庁).jpg)
検証委員会は事故の翌年の去年(2024年)6月に設置され、和歌山信愛大学の森下順子(もりした・じゅんこ)教授を委員長に、弁護士や保育関係者など5人の有識者で4回にわたって委員会を開き、検証を行ってきました。

きょう午後、和歌山県庁で最終の検証委員会が開かれ、県に検証報告書を提出することを確認し、森下委員長が県・共生社会推進部の島本由美(しまもと・ゆみ)部長に提出しました。
事故当時、施設が1人でこども4人を保育していて、検証委員会の聴取に対して、施設長は「5分おきに女の子の様子を確認していた」と話していましたが、実際には記録を付けておらず、後日、記入していたことがわかっています。
また、この保育施設は、2013年度から2015年度まで、3年連続で指導監督者の田辺市から職員の配置不足について文書で指導を受けていて、事故後の去年6月、田辺市から改善勧告を受け、現在は運営を休止しています。
報告書は、この施設では、子どもの健康状態の確認体制が簡易的な登録用紙や口頭でのやりとりのみで、寝返りなど睡眠に関する情報がないこと、ベッドの弾力性が通常より強いなど、安全性や確認体制に不備があったことや、保育士1人での運営が常態化していたことなどを指摘しました。
そのうえで施設側には、子どもの健康状態の情報把握、保育従事者の適正な配置の徹底、ICT機器の導入促進などを、行政側には立入調査の確認項目や調査方法の再検討、指導監督の徹底、県による市町村への支援、認可外保育施設のICT機器導入の支援などを、それぞれ提言しました。
検証委員会の森下委員長は「全国の認可外保育施設で、午睡中(ごすいちゅう)の子どもの事故が後を絶たない。この事案を教訓に、子どもたちの安心と安全を護る保育体制をつくって欲しい」と訴えました。
県の島本部長は「今後、提言を施設や市町村と共有しながら、二度とこのような悲しい事故が起こらないよう、再発防止に取り組む」と答えました。
県では、新年度(2025年度)に認可外保育施設の重大事故防止事業を盛り込み、県と市町村で指導監督の統一ルールを策定するほか、子どもの睡眠中の事故防止のため、身体の動きを検知する機器の購入費用の補助を行うことにしています。