岸田前首相襲撃事件・検察は「懲役15年」の求刑
2025年02月10日 17時33分
おととし(2023年)、和歌山市で、岸田文雄前総理大臣の演説会場に爆発物を投げ込んだとして、殺人未遂などの罪に問われた男の裁判員裁判が、きょう(10日)和歌山地方裁判所で開かれ、検察側は懲役15年を求刑しました。
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木村隆二被告25歳はおととし4月、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で、衆議院選挙の応援に訪れていた岸田前首相らを殺害する目的で、演説会場に手製の爆発物を投げて爆発させ、近くにいた警察官と聴衆の2人にけがをさせたとして、殺人未遂など5つの罪に問われています。
きょうは冒頭、被告人質問が行われ、公職選挙法違反の罪について、「選挙を妨害して申し訳ない」と一転して罪を認めました。
検察側は論告で、「現職の総理大臣を狙い、100人以上を無差別に巻き込んだ、悪質なテロ行為」と述べ、同じような犯罪を防ぐため厳しく処罰して社会に警鐘を鳴らす必要があるとして、懲役15年を求刑しました。
一方弁護側は最終弁論で、爆発物を投げ込んでから爆発するまでに1分程度あったことに触れ、「危害を加えたければ導火線を短く、それ相応の大きさにもできたはず。人を加害する目的や殺意があったとは言い難い」と主張し、傷害罪にとどまるとして、懲役3年が妥当としました。
最後に木村被告は、「多くの方にご迷惑をおかけして、申し訳なく思っています」と極めて小さな声で反省の思いを述べました。
木村被告は弁護人の手元にあるメモに目を落とし、表情一つ変えず耳を傾けていました。
判決は今月(2月)19日に言い渡される予定です。