岸田前首相襲撃事件第2回公判・警察庁職員「爆発物に殺傷能力あった」と証言

2025年02月05日 19時09分

事件・事故

おととし(2023年)4月、岸田文雄前総理大臣の演説会場に爆発物を投げ込んだとして、殺人未遂の罪などに問われた木村隆二(りゅうじ)被告の裁判員裁判の第2回公判が、きょう(2月5日)和歌山地方裁判所で開かれ、証人尋問が行われました。

起訴状などによりますと、被告はおととし(2023年)4月、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で、衆議院和歌山1区補欠選挙の応援に訪れていた岸田前総理らに対し、殺意を持って手製の爆発物を投げて爆発させ、近くにいた警察官と聴衆の2人に軽いけがをさせたとされています。

きょうは、事件発生2週間後の現場検証にあたった和歌山県警の警察官と、爆発物の威力実験を行った警察庁職員、それに法医学を専門とする大学教授のあわせて3人の証人尋問が行われました。

現場検証にあたった警察官は、爆発物の衝突箇所の確認などを行い「爆発した付近の事務所の壁や土台部分に爆発物があたったと見られる跡が見つかった」と証言し「爆発物の軌道の間には多くの一般人がいた。当たらなかったことが不幸中の幸いだ」と述べました。

爆発物の威力実験を行った警察庁職員は、押収された火薬を用いた威力実験や飛翔速度実験の結果を踏まえ「評価基準となる厚さ9ミリのベニヤ板を貫通した箇所があり、運動エネルギー量の計算結果からも被告が使用した爆発物に殺傷能力があると言える」と証言しました。

法医学を専門とする大学教授は、爆発物の威力実験の結果から「生命に影響するエネルギーを数字上十分にもっていた」と証言しました。

木村被告は、きのう(4日)の初公判と同じように、きょうも表情を変えず、落ち着いた様子で裁判に臨んでいました。

あす(6日)も被告人質問や証拠調べが行われ、今月(2月)10日に結審する予定です。判決は今月(2月)19日に言い渡される予定です。

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