「すし文化で知る紀州の豊かさ」和歌山市でシンポジウム開催

2025年01月31日 20時48分

イベント歴史・文化

「すし文化で知る紀州の豊かさ ~郷土料理・伝承料理の可能性を考える~」と題した「食文化シンポジウム」が、今月(1月)26日、和歌山ビッグ愛で開かれました。

シンポジウムのもよう(1月26日・和歌山市・和歌山ビッグ愛)

これは、和歌山県NPOサポートセンターが主催し、日本の食文化を語るとして「すし」を挙げて行われたものです。

愛知淑徳大学の日比野光敏教授

基調講演では、愛知淑徳(しゅくとく)大学教授で、清水(しみず)すしミュージアム名誉館長の日比野光敏(ひびの・てるとし)さんが「日本のすしの歴史と和歌山県のすし」と題して講演し『40年前、「なれずし」は発酵させたものと初めて知った』と述べました。

また日比野さんは「寿司を残すには、その周りの環境を残さなきゃいけない。昔は家に20~30人集めてワーッとやったが、宴会ができなくなり、祭りが廃れてきている。お寿司を食べる街の雰囲気も残さなきゃいけないと考えると不安に思う」と述べました。

栗林照代さん
藤本美由紀さん

パネル・ディスカッションでは、橋本市の生活研究グループ連絡協議会で柿の葉寿司を研究している栗林照代(くりばやし・てるよ)さんや、紀の川市でじゃこ寿司やあゆ寿司を作っている「じゅげむ」の2代目・藤本美由紀(ふじもと・みゆき)さんらをパネリストに、和歌山大学客員教授の鈴木裕範(すずき・ひろのり)さんがコーディネーターを務めました。

九重雑賀の雑賀敏光社長

この中で、九重雑賀(ここのえ・さいか)代表取締役社長の雑賀敏光(さいか・としみつ)さんは「奇をてらわず、不易流行をモットーに、変えてはいけないものは変えず、ただ取り入れるのは取り入れていく。これを判断するのは社長だ」と述べ、つくり始めて100年を超える酢を例に上げました。

弥助寿司の岩崎典明さん

また、和歌山市でなれ寿司やはや寿司を作る、弥助寿司(やすけずし)の5代目・岩崎典明(いわさき・のりあき)さんが「『なれずし』をもって、いろんなところへ行ってお披露目する機会があればいいのに」と述べ、多様な楽しみ方ができることを強調しました。

和歌山大学の鈴木裕範客員教授

コーディネータ―の鈴木さんは「皆さんがそれぞれ頑張っていくという話に1つ可能性を感じた。こういったことが他の地域でも広がればいいのになあと、メディアとして発信していただけると嬉しい」と述べました。

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