第143回和歌山放送情報懇談会・毎日新聞の佐藤千矢子論説委員迎え
2025年01月30日 17時57分
和歌山放送の第143回情報懇談会が、きょう(1月30日)午後、和歌山市のホテル・グランヴィア和歌山で開かれ、毎日新聞の佐藤千矢子(さとう・ちやこ)論説委員が、ことし(2025年)の日本政治の展望について講演しました。

佐藤論説委員は愛知県出身で、1987年に毎日新聞社の記者になり、政治部や大阪社会部、外信部などを経て、2013年に論説委員に、そして2017年には大手新聞社で初となる女性の政治部長に就任しました。
主な著書に、日本や台湾などで話題となった「オッサンの壁」があるほか、TBSテレビの「ひるおび」や、BS―TBSの「報道1930」などでニュース解説者としても活躍しています。

佐藤論説委員は、まず、去年秋(2024年)の衆議院選挙を総括し、自民・公明が少数与党に追い込まれた背景に裏金問題だけでなく、前々回の衆議院選挙よりも得票率を10ポイント近く落としたことや、全体の投票率が53%台と低く、自民・公明のような組織政党に有利とされた選挙でも惨敗したことから、党としての体力低下を指摘しました。
一方、躍進したとされる野党の立憲民主党も、裏金批判の受け皿として小選挙区では票を伸ばしたものの、比例代表では前々回の衆議院議員の0・6%増にとどまり、「ネットを活用した選挙戦略を展開した国民民主党に水をあけられ、若者や無党派層の支持を得られなかった」と分析しました。
佐藤論説委員は、石破総理大臣のこれまでの動きや発言を振り返りながら「少数与党政権を逆手に取り、野党や国民の声を聞く政権になろうという理想はいいが、そのぶん、どんな政策をしたいのかよく分からない。“楽しい日本”を目指すとして、“地方創生2・0”や、“令和の日本列島改造論”を掲げているものの、評判が悪い」と疑問を投げかけ、官邸の体制や永田町・霞ヶ関人脈の弱さや、日米・日中関係をはじめとする外交関係、夏の参議院選挙への対応など、課題が山積な状況を指摘しました。