御坊・日高地域流れる西川が県内初“特定都市河川”に指定/和歌山
2025年01月28日 18時09分
御坊市と周辺の町の中心部を流れ、たびたび内水(ないすい)氾らんを引き起こしている日高川水系の西川(にしがわ)が、きょう(28日)国土交通省から“特定都市河川”に指定されました。和歌山県内の河川の指定は初めてで、流域の農地の宅地転用に一定の制限がかかるほか、流域の自治体が共同で治水対策に取り組む動きが促進されることになります。
西川は、御坊・美浜・日高・日高川の1市3町を流れ、日高川に合流する長さ14・5キロの河川です。
流域面積は53・5平方キロメートルあり、とくに下流部分は水田と、水田から転用した住宅地が大部分を占めていて、以前から大雨などで支流からの水があふれたり、合流する日高川からの水が逆流したりといった内水氾らんによる浸水被害に見舞われてきました。
周辺には役場や鉄道などインフラも集中していて、流域の自治体と和歌山県では、2021年11月、特定都市河川浸水被害対策法が施行されたことを受け、西川の水害対策協議会の準備会を開くなど、特定都市河川への指定に向けて動いてきました。
指定には、流域の市街化が著しいことや、合流する川からの逆流で排水制限があることなどの条件を満たすことが必要ですが、西川流域はこれらを満たすと判断されたものです。
指定されたことにより、西川流域で公共・民間で1000平方メートル以上の田畑などを宅地などに転用する場合は、雨水の地下の浸透を阻害しないよう貯留施設の整備や浸透対策を義務づけられ、転用に知事の許可が必要となります。
また、浸水被害が起こるおそれのある土地を“浸水被害防止区域”に指定して開発規制を行ったり、川の掘削や堤防整備、遊水池などの整備などを流域の自治体が共同で取り組み、これらの補助を国から受けられるようになり、治水対策の促進が期待できるとしています。