国土強靱化シンポジウムin和歌山

2025年01月20日 17時24分

イベント政治災害・防災社会

南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備える国土強靱化の取り組みについて考える内閣府主催のシンポジウムが、きょう(20日)和歌山市のダイワロイネットホテル和歌山で開かれ、およそ200人が参加しました。

シンポジウムのもよう(1月20日・和歌山市・ダイワロイネットホテル和歌山)
丹羽次長の講演

はじめに、内閣府国土強靱化推進室の丹羽克彦(にわ・かつひこ)次長が、デジタル田園都市国家構想の総合戦略に基づき、スーパーコンピュータやAI・人工知能などの最新デジタル技術を活用した線状降水帯や台風などの予報精度の向上や、高齢者支援の円滑化などの取り組みを紹介しました。

河野危機管理部長の講演

続いて、和歌山県の河野眞也(こうの・しんや)危機管理部長が、去年(2024年)の元日に発生した能登半島地震の被災地・石川県に県の職員を派遣した経験から、「半島防災」という新たな観点から道路の未開通部分の早期開通や航路・空路の確保、それに、県内の市町村と連携して、トイレカーやキッチンコンテナの配備といった避難所の環境改善などを盛り込んだ、県の防災対策の見直しに取り組んでいることや、南海トラフ巨大地震や津波、風水害対策などの取り組みを紹介し、自助と共助の必要性を改めて強調しました。

「稲むらの火の館」﨑山館長の講演

また、広川町(ひろがわちょう)の「稲むらの火の館」の﨑山光一(さきやま・こういち)館長は、毎年11月5日の「世界津波の日」にあわせた町民の津波避難訓練や、安政の南海地震で村人を津波から救った濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を偲ぶ「稲むらの火祭り」を紹介しながら、「津波の時は川に速く潮が満ちるから橋を渡って逃げてはいけない」「津波の時は真っ先に広八幡宮(ひろ・はちまんぐう)に行き、後のことは考えるな」といった梧陵の残した津波の教訓が、現代にも通じる普遍的な防災対策であることを指摘しました。

パネルディスカッションのもよう

このあと、パネルディスカッションも行われ、田辺市の真砂充敏(まなご・みつとし)市長や石川県七尾市(ななおし)の茶谷義隆(ちゃたに・よしたか)市長らが、能登半島地震を踏まえた南海トラフ巨大地震への備えについて意見を交わしました。

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