龍神の豆腐職人が東京・人形町に豆腐屋料理店を開店
2024年12月14日 16時32分
田辺市龍神村で、薪で焚いた火で昔ながらの豆腐づくりを続けてきた職人の男性が、江戸情緒の残る東京都中央区の人形町(にんぎょうちょう)に、このほど、豆腐料理の専門店を開店し、人気となっています。
この店は「豆腐屋料理店 四方八方(よもやも)」で、田辺市龍神村小又川(こまたがわ)で「龍神地釜とうふ工房 るあん」を運営してきた豆腐職人の小澤聖(おざわ・きよし)さん52歳が、先月(11月)老舗の料理店が建ち並ぶ、人形町の甘酒横丁(あまざけよこちょう)に開店しました。
千葉県出身の小澤さんは、明治大学を卒業後、海外の新興国支援に取り組んで帰国したおよそ20年前、次は林業をするため龍神村に移住しましたが、地元の人から振る舞われた、薪で火を焚いて作った昔ながらの豆腐の味に魅了されて、豆腐職人への転向を決意しました。
その後、地元の古老に作り方を学びながら試行錯誤を重ね、地釜とうふづくりを確立したほか、とうふを使ったコース料理も振る舞うなど、地元や村外からも人気の店に成長させました。
その後、小澤さんは豆腐が中国や韓国から日本へ伝わった変遷や、湯浅しょうゆなど紀州の調味料との相性の良さにも興味を広げ、豆腐料理でアジアの食文化交流を発信しようと、“四方八方”を開店させました。
老舗の焼き鳥店を改装した“和モダン”な雰囲気の店内には、豆腐やゆばを作る工房も併設され、それらを使った韓国のスープ“スンドゥブ”や、中華料理の“麻婆豆腐”、和食の“出来たて湯葉丼”など、ランチでも酒の肴としても楽しめる豆腐料理を提供しているほか、和歌山の地酒や、みかんジュースなども揃えています。
小澤さんは「豆腐はアジアの食文化交流の象徴となる食べ物のひとつです。もちろんそれらは紀州・和歌山とも深くつながっています。東京から全国・海外の人に、アジアや和歌山の食の魅力を広げていきたい」と抱負を語りました。
「豆腐屋料理店 四方八方」は、東京メトロ日比谷線と都営地下鉄浅草線の人形町駅が最寄りです。