「紫金山・アトラス彗星」が日没後の西の空に、肉眼でも
2024年10月15日 16時27分
「紫金山(しきんざん)・アトラス彗星(すいせい)」が、日没後の西の空で、尾を引く姿が、各地で確認され、撮影されています。
空が暗くなるにつれ、肉眼でも、ぼんやりとした彗星の形を見ることができ、よく晴れたきのう(14日)までの連休には、親子連れやカップルらが、日没頃から、和歌山市の片男波(かたおなみ)海水浴場やシーサイドロード、和歌山港など、西の空が開けた場所で、彗星を探す姿が見られ、見つけられると歓声を挙げたり、指さして互いに確認し合うなど、楽しんでいました。
この彗星は、去年(2023年)1月に、中国の紫金山天文台が発見し、2月に南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム=アトラスも確認したことから、「紫金山・アトラス彗星」と命名されました。
そして、先月(9月)28日に、太陽に最も接近し、おととい(13日)、地球に最も近づきました。彗星には、周期的に戻ってくるものもありますが、この彗星を観測できるのは今回限りで、今後は、太陽からどんどん遠ざかっていきます。
国内では、今月(10月)上旬に、日の出直前に東の低い空で見られ、今月中旬からは、夕方の西の空に姿を現しました。
国立天文台などでは、見える場所や見え方の予報を発表しているほか、このところ、SNSなどで、この彗星の画像や動画の投稿が多くなり、「肉眼でも見られる」とか「スマホでも撮れる」という情報が広がったせいか、日没の頃から西の空で、彗星を探す人たちが多くなっています。
予報によりますと、空が暗くなる日没1時間後を目安として、現在は、高度10度前後の西の低空にあり、明るさは、1・5等から3等程度ですが、今週半ばから週末頃は、高度20度前後で、明るさは、2等から4等程度となり、肉眼で見られるのは、今月20日頃までとなりそうです。
そして、来週以降になると、高度は35度以上と見やすくなる反面、明るさが、3等から5等程度と暗くなり、双眼鏡や望遠鏡を使えば見ることができますが、肉眼で見るのは難しくなりそうです。