串本町の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の運営と、小型ロケット「カイロス」の打ち上げを担当する東京のスペースワン社は、きょう（２５日）カイロス２号機の打ち上げ時期について「ことし（２０２４年）１２月を目指す」と明らかにし、具体的な日程など詳細については、打ち上げ２か月前に改めて公表する方針を示しました。

これは、きょう串本町で行われた「宇宙シンポジウム ｉｎ 串本」と、そのあとオンラインで開かれた記者会見で、スペースワン社が発表したものです。

記者会見では、ことし３月１３日に、カイロス１号機が打ち上げ５秒後に飛行中断措置がとられ空中で爆発した原因について説明が行われ、スペースワン社では「ロケットに搭載された自律安全飛行システムの正常飛行範囲を厳しく設定していたことや、燃料と酸化剤を混ぜ合わせた推進薬()の燃焼速度の計測過程に問題があった」として、２号機ではそれらを改善した上で、ことし１２月の打ち上げが可能になったとしています。

２号機は、全長およそ１８ｍ、重さおよそ２３ｔ、直径およそ１・５ｍで、マイクロ衛星１基と、３Ｕ()キューブ衛星４基、３段式の点火装置を搭載します。

スペースワン社の豊田正和(とよた・まさかず)()社長は「ロケットはやり直しがきかない難しい事業だと言われるが、迅速なリカバリーを行い、次のビジネスチャンスを逃さない姿勢を大切にしている。このスピードと経験、挑戦を価値とするスペースワン社の理念は、アメリカのビジネスにも負けない早さを維持し、２号機への準備を進める原動力だ」と強い意気込みを示しました。