高学年児童の防災教室 「家庭で話して」和歌山県紀の川市の小学校
2024年06月04日 19時37分
和歌山県・紀の川市の小学校で、高学年の児童を対象にした、市主催の防災教室が開かれました。
これは、紀の川市が、市内の子どもたちに、「防災の大切さ」を学んでもらい、家庭に帰って話し合ってもらおうと、小学4年から6年までの児童を対象に、2017年度から実施しているもので、児童全員に体験してもらうため、3年間で、市内にあるすべての小学校あわせて15校で開催しています。
今年度は、5校で開催され、このうち、先月(5月)31日に紀の川市貴志川町井ノ口の東貴志小学校の体育館で開かれた「小学生防災教室」には、4年から6年までの児童あわせて44人が参加しました。
体育館では、地震でケガをしたという想定で、児童が、手や足に、肘や膝を動かしにくくするサポーターや重りをつけたり、視野が狭くなるゴーグルを着用したりした上で、迷路のように設営された避難路を歩く訓練が行われました。
避難路には、がれきや割れたガラス片に見立てた障害物が置かれていて、5人程度のグループで歩いた子どもたちは、互いに声をかけ、助け合いながら、障害物を乗り越え、避難所にたどり着きました。
防災教室では、このほか、救助の際に使用される資機材を使って児童が、コンクリートを砕く体験をしたり、上空から降りてきたドローンによる撮影で記念写真に納まったりしていました。
また、防災に関する○×クイズに挑戦し、お湯を入れて15分で食べられる防災食のアルファ化米を使ったわかめご飯と非常食用のパンを試食しました。
小学6年生の男子児童は、「知識を身につけられてよかった。足や手、目や耳が不自由な設定で、普段と違体験だったけど、みんなで協力して避難するのが楽しかった」「ハザードマップが家にあるので、どこにげればいいのかを確認しておきたい。家庭で食糧を備蓄するため、家族に呼びかけたい」と話しました。
紀の川市危機管理消防課の山田崇聖(やまだ・たかきよ)さんは、「以前は、希望する中学生を対象に、夏休みに3日間の合宿形式で防災体験教室を開いていたが、恥ずかしがる中学生に配慮して、対象を小学生に切り替え、実施している。今後も防災教室を開催し、公助に頼らない、自助と共助を大切にする大人になってもらえるよう取り組んでいく」と強調しました。