「南陵学園」新理事長会見「生徒募集再開目指す」 和歌山県・和歌山南陵高校
2024年04月18日 19時35分
おととし(2022年)、教職員の給与未払いなどが発覚した和歌山県日高川町にある和歌山南陵高校を運営する静岡県の学校法人「南陵学園」の新しい理事長に、コンサルタント会社代表の男性が就任し、きょう(4月18日)、日高川町で記者会見して抱負を語りました。
新しい理事長に就任したのは、大分県でコンサルタント会社を経営する甲斐三樹彦(かい・みきひこ)さん52歳で、今月(4月)14日に開かれた「南陵学園」の理事会で理事長に選ばれました。
和歌山南陵高校の運営を巡っては、おととし5月以降、学校法人の資金難で職員の給与がたびたび滞り、教職員がストライキを実施するなど混乱し、法人を管轄する静岡県が2度の措置命令を出し、経営が改善されるまで生徒の募集を止めるよう求めました。この措置は今も続いていて、在校生は、新たに3年生になった18人だけで、1年生と2年生はいません。この間、学校法人「南陵学園」の理事長は、2度交代し、今回、騒動後、3人目として、甲斐理事長が就任しました。
記者会見で、甲斐理事長は、「4月14日の理事会で理事長に就任するにあたり、騒動のあと、理事長が交代しても、変わらず経営に関わり続けてきた旧経営陣をすべて排除し、体制を一新した」と話しました。
そして、学校の立て直しに向けて「措置命令を解除してもらうためには、行政から信用してもらえるようになることが重要。そのために、教職員への給与や私学共済の掛け金など、滞納している支払いを4月中に済ませるべく、手続きをしている。あすにも、静岡県に出向き、状況を説明したい」と述べました。
返済するための資金の原資は、甲斐理事長を知る企業からの援助だということで、今後、生徒が暮らす学生寮など、学校の施設の改修も進めるということです。
また静岡県との面談では、校名の変更や、生徒募集の再開に向けた手続きなどを確認するということで、甲斐理事長は、「来年4月に新入生を迎えたい」と話しています。
また、今後は、魅力ある学校づくりのため、防災士やマイクロソフトオフィスマスターなどさまざまな資格がとれる学習プランを構築していく方針で、甲斐理事長は、「来年春、卒業する生徒については、あと1年しかないが、学校が生まれ変わったと信じてもらうため、進学先や就職先などの出口を見てもらえるよう取り組みたい」と意気込みを示し、「ゆくゆくは英語をしゃべれるアスリートを育てたい」と語りました。