和歌山県庁地下で42年営業のそば店「信濃屋」が閉店へ
2024年03月22日 23時14分
和歌山県庁本庁で42年にわたって営業し、県の職員らの昼ごはんを提供し続けてきたそば店「信濃屋(しなのや)」が、今月(3月)いっぱいで営業を終了することになり、多くの常連客に惜しまれています。
信濃屋は、1982年10月に県庁本庁で営業を開始したそば店で、途中からは地下1階に移転し、昼休みを中心に様々なそばや、うどん、丼物を提供し、県庁内への出前も担ってきました。
そばは粉からつくる自家製で甘みがあり、手頃な価格で量も多く、県庁職員以外に一般の利用も出来るため、昼休みの時間帯はおよそ30の座席はいつも満席で、出前の注文も引っ切りなしです。
また、県庁や県警本部に詰める報道記者にも馴染みが深く、記者の発案で「カツカレー丼」がメニューに加わるなど、食を支えてきました。
しかし、近年は材料や燃料の価格が高騰し、運営が困難になってきたとして、ことし3月末での営業終了を決めたものです。
常連客のひとりで元県庁職員の嶋俊夫(しま・としお)さんは「開店当初から定年退職してからも40年以上通ってきましたが、寂しいです。山菜そばが好きでした」と惜しんでいました。
親子で厨房に立ち続けた、息子の見澤篤規(みさわ・あつのり)さんと母親の倖知子(さちこ)さんは「毎日休まず、風邪も引かずに頑張ってきましたが、やはり寂しいです。多くの職員や記者、一般のお客さんに喜んでいただけて幸せでした」と話しています。
信濃屋は、今月(3月)29日で営業を終了し、42年の歴史に幕を下ろします。