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5年ぶりに雛舟渡御が復活 淡島神社「ひな流し」

2024年03月03日 18時41分

イベント歴史・文化社会

人形供養で知られる和歌山市の加太淡島神社できょう(3/3)、桃の節句の風物詩「ひな流し」が行われ、新型コロナ禍で中止になっていた「雛船の渡御」が5年ぶりに復活し、神社から桟橋まで女性の手で運ばれた白木の小舟が、子どもの歌にあわせて加太の海に船出しました。

きょう正午から行われた「ひな流し」の神事では、加太淡島神社の前田智子(まえだ・ともこ)宮司が祝詞を上げ、女の子の幸せや成長などを祈願しました。

このあと、およそ5千体のひな人形が飾られた加太淡島神社の本殿から宮司のお祓いを受けたおよそ500体のひな人形が、3艘の白木の小舟に乗せられ運び出されました。

そして、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、4年連続で中止されていた「雛舟の渡御」が、5年ぶりに復活し、女性の参拝客が、ひな人形をのせた小舟を担いで、本殿からおよそ600メートル先の海辺まで練り歩きました。

小舟に触れた女性は、1年間、健康に過ごせるという言い伝えがあり、参拝した多くの女性が、こぞって100キロ近い重さの小舟を交代で担いでいました。

流す直前には、前田宮司が祝詞をあげ、巫女が紙吹雪を撒く中、和歌山市のあわ保育園の年長の女の子9人が「うれしいひなまつり」を合唱し、春の海に繰り出す3艘の白木の舟を見送りました。

夫とともに淡島神社を訪れ、舟を担いだ奈良県上牧町(かんまきちょう)の北乾恵(きたいぬい・めぐみ)さん66歳は、「昭和33年3月3日生まれで、コロナ禍前にも担いだことがあったので、きょうは天気も良いし、是非、担ぎたいと思い、できるだけ前で担げるよう頑張りました。これからも健康でますます頑張っていこうと思う」と話していました。

北乾さんご夫婦

加太淡島神社の前田宮司は、「無事に終わってほっとしています。去年まで4年連続でトラックに載せて運んだので、担ぎ手を確保できるか不安でしたが、天気にも恵まれてたくさんの女性に参加してもらえてよかったし、皆さんには幸せになっていただきたい。年明け早々、災害が発生するなどしていますが、これからの季節のように、穏やかな日々を送れるよう願っています」と話しました。

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