和歌山県・八郎山TN施工不良で県土整備部長らを厳重注意処分
2024年02月20日 12時44分
和歌山県は、淺川組(あさかわぐみ)などに発注し、トンネルのほぼ全ての区間で天井部分のコンクリートに空洞が発生した、串本町と那智勝浦町の間で建設中の県道・仮称「八郎山(はちろうやま)トンネル」の工事について、適切な段階確認を怠っていたとして、福本仁志県土整備部長と、当時、工事に関わっていた職員5人の管理監督責任を問い、厳重注意処分にしました。
県では、施工不良の発覚後に専門家による技術検討委員会を開いて検証した結果、業者がコンクリートの厚さを隠すため、県への段階確認の要請を少なくしていたことや、県も業者からの要請が少ないことを見過ごしていたと指摘しました。
これを受け、業者を監督する責任にあった県土整備部長と、当時、担当していた県土整備部と東牟婁(ひがしむろ)振興局新宮建設部の職員5人に管理監督責任があると判断し、今月(2月)13日付けで、文書による厳重注意処分としたものです。
岸本周平知事は、原因について「県内トップクラスの建設業である淺川組に県も任せっきりになっていたところがあった。また、当時の県土整備部は災害発生後の対応などで多忙なこともあり、十分な確認を怠ってしまったのではないか」と述べました。
県では今後の再発防止策として、段階確認の徹底や、トンネル施工に関する注意点のマニュアル化をはじめ、今回の八郎山トンネルのような、人命や社会への影響が大きい過失に対する業者への入札参加資格停止期間を、これまで3か月だけだったのを、6か月も加えることを追加するととともに、引き続き、技術検討委員会で原因の究明を行う方針です。