ごりょう語り部ジュニア 学習発表会&認定証授与式
2024年01月31日 18時32分
江戸時代末期の安政の南海地震で、紀州広村、現在の広川町が津波に襲われた際、稲わらに火をつけ避難路を照らし、村人の命を救ったとされる偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)を、地元の語り部グループから学んだ小学生が、このほど(1月20日)、その成果を発表し、ごりょう語り部ジュニアに認定されました。
この取り組みは、和歌山県の広川町教育委員会が、次の世代を担う子どもたちに梧陵の功績を伝えていこうと、町内2つの小学校に通う5年生と6年生を対象に、2018年度から実施しているもので、広川町日本遺産ガイドの会のメンバーが子どもたちの指導にあたっています。
今年度も、6月に開講し、地元・広小学校と南広小学校の5年生と6年生あわせて17人が受講して濱口梧陵について学んできました。
そして、このほど広川町の公民館で学習発表会が開かれ、講座に参加した17人のうち、16人が出席し、「稲むらの火」のあらましや、津波のあと梧陵が私財を投じて広村堤防を造った3つの理由、江戸時代に流行した感染症のコレラに対し、専門医を育てた梧陵の功績などを発表しました。
発表会の後、ジュニア語り部の認定証授与式が行われ、小学5年生には、初級の認定証が、小学6年生には、認定証がそれぞれ授与されました。
認定証授与のあと、子どもたちに対する指導の中心を担った、広川町日本遺産ガイドの会の佐々木博子(ささき・ひろこ)さんは、「ガイドの会のメンバーは、安政の地震津波を語り継いでいますが、メンバーは高齢化しています。是非、若い皆さんに私たちの思いを引き継いでもらいたいし、これまで勉強してきたことを、家族や友だちに少しでも広めてもらえれば」と呼びかけました。
参加した児童のうち、5年生は、「緊張したけど、うまくいきました。6年生になっても、この勉強を続けたい」「広川町には、日本遺産がたくさんあることを伝えたいと思って発表しました。来年度も挑戦したい」と話し、6年生は、「卒業してからも、広川町以外の親戚など知り合いに梧陵さんのことを伝えたい」と話していました。
小学生が濱口梧陵について学ぶこの取り組みは、来年度も予定されています。