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和歌浦天満宮で消防訓練 文化財防火デーを前に

2024年01月23日 21時19分

災害・防災社会

1月26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山市の和歌浦天満宮できょう(1月23日)、拝殿から出火したという想定で避難誘導や初期消火の訓練が行われました。

訓練が行われた和歌浦天満宮(2024年1月23日)

文化財防火デーは、1949年、昭和24年1月26日に奈良県の法隆寺金堂(こんどう)で発生した火事で壁画が焼けたことを機に、文化財を火災や地震などから守ろうと文化庁が定めたもので、和歌山市消防局では、この文化財防火デーを含む1週間を「文化財防火運動推進週間」として、毎年この時期に、市内の神社や寺院、文化施設などで消防訓練を行っています。

訓練は拝殿から火の手が上がったという想定で行われた

今年の訓練は、和歌山市和歌浦西にある和歌浦天満宮の拝殿から火が出て、本殿や付近の山林に延焼する恐れがあるという想定で行われ、和歌浦天満宮の職員でつくる自衛消防隊や地元の消防団、それに和歌山市中消防署の隊員ら30人余りが参加しました。

初期消火にあたる自衛消防隊

訓練では、自衛消防隊の職員が、消防に通報した上で参拝客を避難させ、備え付けの消火器で初期消火にあたり、宝物に見立てた箱を運び出しました。

また、駆け付けた消防隊員や消防団員が、天満宮のふもとにある池から水をひいてホースをつないで60段の石段を登り、和歌浦天満宮の拝殿上空に放水しました。

消防隊と消防団がふもとからホースを引いて消火活動にあった

訓練のあと、和歌山市消防局の吉野楠哉(よしの・くすや)局長は、「参加機関は、通報、避難誘導、消火、宝物搬送と、迅速な連携のもと、日頃の訓練の成果をいかんなく発揮され、すばらしかった。消防職員も、現場の状況を即座に把握し、有効な消防戦術を展開していた」と評価した上で、「今後は、関係機関や地域住民との連携を充実させ、これからの災害対応にあたってもらいたい」と呼びかけました。

講評する吉野局長

また、和歌浦天満宮の小坂政男(こいた・まさお)名誉宮司が「国の重要文化財を守るため、火災に対しては、いつも神経をとがらせているが、このお宮には、誰でも入ることができるので、いざというときには、よろしくお願いします」と挨拶しました。

挨拶する小板名誉宮司

和歌浦天満宮には、本殿や楼門など国指定の重要文化財があり、小板政規(こいた・まさのり)宮司は、「再建されて400年以上となる建物を次の世代に継承していかなければならないという思いを強くしている」と語りました。

自衛消防隊の小板宮司は119番通報した

和歌山市消防局は、「2019年10月の首里城火災のような火事が発生しないよう、より一層の防火対策の徹底と管理体制の強化をはかっていく」としています。

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