和歌山市の緊急消防援助隊が石川県から帰庁・尾花市長に報告
2024年01月11日 18時58分
能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県に、緊急消防援助隊として派遣された和歌山市消防局の隊員たちが帰庁し、きょう(11日)和歌山市役所で尾花正啓(おばな・まさひろ)市長に現地の活動を報告しました。
和歌山市消防局は総務省消防庁の要請を受け、能登半島地震が発生した元日(1日)からきのう(10日)にかけて、第1次隊から第3次隊までの3グループ、のべ141人の消防隊員を4日ごとに交代するローテーションで甚大な被害の出ている石川県輪島市に派遣し、倒壊家屋に取り残された被災者の救助や、負傷者の病院搬送などを行いました。
きょう午後、和歌山市役所の記者会見室で、第1次隊から第3次隊の大隊長が、それぞれ能登半島の地図や現場で撮影した写真を尾花市長に見せながら、救護活動の様子を説明しました。
現地では、道路の破損や積雪が行く手を阻んだほか、古い日本家屋の倒壊や土砂崩れが数多くみられ、倒壊家屋に取り残された高齢者の捜索が難航したことなどが報告されました。
輪島市内で倒壊家屋での救助活動にあたった、第三次隊の上辻泰寛(うえつじ・やすひろ)大隊長は「土砂崩れが頻繁に起こり、現場の到着が遅れた。倒壊した家屋が火事で焼けて、そこに土砂や雪が積もり、自衛隊と協力して手作業で取り除きながら救助活動にあたった」と話し、作業に大変な手間がかかったことを説明しました。
報告を受けた尾花市長は「道路の寸断が深刻で大変な状況のなか、現場に駆けつけて救助にあたった隊員たちに改めて敬意を表する」と述べました。
また、輪島市を始めとする被災地では避難所の開設が遅れ、運営に支障が出ていると指摘されていることについて、尾花市長は「過疎化が進むいま、外部の救援が届くまでの間、地域内での助け合いがますます重要になってくる。和歌山市も、今後、能登半島と同じように、道路の寸断など外部からの支援が届かない状況を想定し、自助・共助・公助をしっかりやっていきたい」と述べ、今後の市の防災態勢について、見直しも含めて改めて課題を検討する考えを示しました。