和歌山市の南海和歌山港線で列車自動運転の走行試験を公開

2023年12月18日 18時26分

交通社会経済

南海電鉄は、和歌山市の和歌山港線で行っている列車の自動運転の走行試験を、きょう(18日)初めて報道関係者に公開しました。

実際に走行する自動運転用車両(12月18日・和歌山市・南海和歌山港線)

南海電鉄では、運転業務の効率化や人手不足対策などとして、ことし(2023年)8月から、横浜市の京三製作所(きょうさんせいさくしょ)()と共同で和歌山港線で自動運転の実証実験を行っていて、列車には、運転士の免許を持たない、非常停止やドアの開閉操作、避難誘導を行う係員が乗務する形態です。車両と線路にはそれぞれセンサーが設置され、ホームの停止位置を検知する仕組みです。

自動運転用車両の運転席を説明する運転士

きょうの走行試験では、係員が、運転席に設置された緑色の走行ボタンを押して2両編成の電車を発車させ、途中、駅を想定した3カ所で自動停止しながら、最大時速57キロで、片道およそ7分間かけて、和歌山市駅と和歌山港駅までの2・8キロの区間を無事に往復しました。

自動運転中の運転席などを表示する試験用の車内モニター

あわせて、乗務する係員が、制限速度を超える異常を察知して、運転席の赤色の緊急停止ボタンを押して電車を止める試験も行われました。

南海電鉄の岡本運転担当課長

南海電鉄・鉄道事業本部の岡本広基()(ひろき)運転担当課長は「持続可能な鉄道運営のひとつに自動運転がある。我々が培ったノウハウを、この先、地方鉄道などに活かすことで、全国の路線の維持につなげたい」と話しています。

自動運転用試験車両を表すヘッドマーク

南海電鉄では、和歌山港線と大阪の高師浜線()(たかしのはません)での自動運転の導入を目指して実証実験を続け、まだ荒さの残るブレーキ操作の改善など、乗り心地と安全性の精度を高める方針です。

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