和歌山市でスマイリーキクチさん迎え人権講演会

2023年12月05日 18時20分

社会

和歌山県人権啓発センターが主催する人権講演会が、きょう(5日)開かれ、インターネット上の誹謗中傷被害を受けたのを機に、ネット上で被害者や加害者にならないよう訴える講演活動や執筆を続けている、タレントのスマイリーキクチさんが「インターネットと人権」と題して講演しました。

きょうの人権講演会のもよう(12月5日・和歌山市・和歌山県民文化会館)

スマイリーキクチさんは、タレントとして活躍中の1999年にネット上で「殺人事件の犯人だ」とデマを書かれたことがきっかけで、それから9年にわたって誹謗中傷や脅迫を受け続ける被害に遭い、タレント活動にも大きな支障が生じました。

きょうの講演で、キクチさんは警察に相談したり、デマが書き込まれた掲示板の運営者に削除要請をしてもなかなか事態が収拾しない、極限状態に追い込まれた当時を振り返り「どこの誰かがまったくわからない他人に、ネット上で自分の身に覚えの無い事柄が無責任に果てしなく拡散されたり、自分や家族が襲撃を受けるかもしれない身の危険におびえ続ける日々だった」と語りました。

「言葉の責任」について講演するスマイリーキクチさん

その上で、キクチさんは、もしネット上でトラブルに巻き込まれたら「誰かに相談できる環境でしょうか。事前に警察署に電話をして、被害内容に対応出来る警察官を探してもらい、時系列にまとめてわかりやすく伝え、警察官との相談はすべて記録しましょう。誹謗中傷が書き込まれたホームページやSNSなどの記録や、通話が録音できる電話機の設置など、被害者側が証拠を集めるのはとても大切です」と訴えました。

そして「人間は自分の都合のいい情報のみ寄せ集めてしまう。ネット依存に陥った人は、ネットの情報ばかりを真実と思い込み、デマや中傷を本気で正論と錯覚してしまい、他人への攻撃をやめられず心を病んでしまう」と、視野が狭まっていく怖さを強調し、情報のひとつひとつが正しいかどうかを、自分で立ち止まって検証するよう呼びかけました。

WBSインフォメーション

WBSショッピング55