「第7回きのくに建築賞」最終審査 最優秀に「紀州高田果園・南高梅加工場」
2023年11月19日 19時01分
「第7回きのくに建築賞」の最終審査会がきょう(11月19日)、和歌山市の県立近代美術館2階ホールで開かれ、最優秀賞に、みなべ町の紀州高田果園・南高梅加工場が選ばれました。
この賞は、和歌山県建築士会と、県建築士事務所協会、それに日本(にほん)建築家協会近畿支部和歌山地域会の、3つの団体でつくる「建築三団体まちづくり協議会」が、県内の建築文化の向上や活気ある魅力的で美しいまちづくりを進めようと実施しているもので、今年で7回目となりました。
今回は、応募作品から、最終審査に残った県内の5つの建築物についてそれぞれプレゼンテーションが行われた後、公開で審査が行われました。
その結果、紀州材のスギやヒノキで造られた美しいアーチ構造のビニールハウス棟と梅の貯蔵・漬け込み棟からなる、「紀州高田果園 南高梅加工場」が最優秀賞に選ばれました。
また、和歌山県内産の木材を使用し、その特性を生かした作品に贈られる、紀州材賞には、「紀州高田果園 南高梅加工場」が選ばれ、ダブル受賞となりました。
紀州高田果園代表取締役の高田智史(たかだ・さとし)さんは、「これまでずっと1次産業に携わる中で、梅と木のイメージがあっていると思ってきたので、5年ほど前から、地元の木で加工場を作れないかと考えてきました。設計や施工ではムリをお願いしましたが、受賞したことで、自分の考えた通りだったと実感しています。今後は、農家さんが一般的に使うハウスにも流用できれば」と話しました。
このほか、優秀賞には、海南市にある個人宅の「海南の家」が選ばれ、残る3つの建築物、「A(エイ)GIRLS(ガールズ)本社ビル」と「大谷法律事務所」、それに「崖荘(がいそう)」が佳作となりました。
会場では、表彰式が行われ、受賞者がそれぞれ審査員から賞状を受け取り、記念写真に納まっていました。
そして最後に、審査会を運営する実行委員会の谷岡拓(たにおか・たく)委員長が挨拶し、「この表彰事業は、これまで知らなかった和歌山県内の魅力的な建物に気づく機会になるし、皆さんには、そうした建築物を見て、建築の力に期待していただきたい。和歌山に良い建築をたくさん作っていけるよう来年も第8回を開くので、是非、注目していただけたら」と話していました。