「世界津波の日」濱口梧陵のふるさと、和歌山県広川町で津浪祭
2023年11月05日 16時38分
「世界津波の日」のきょう(5日)「稲むらの火」の逸話で知られる江戸時代の偉人・濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)のふるさと広川町(ひろがわちょう)で「津浪祭(つなみまつり)」が行われ、町民らが梧陵の功績をたたえました。
濱口梧陵は、1854年・安政元年の11月5日、南海地震による津波の襲来を察知し、稲わらに火を放って村人を避難させたとされ、2015年12月の国連総会で、梧陵の逸話をもとに津波防災の意識を世界的に高めようと、毎年11月5日を「世界津波の日」と定めました。
広川町では、安政の南海地震から50年後の1903年・明治36年に津浪祭を開始し、大津波の犠牲者を追悼するとともに梧陵に感謝を捧げていて、今回で121回目となります。
きょう午前、梧陵が私財を投じて整備した「広村堤防(ひろむらていぼう)」に隣接する碑の前で西岡利記(にしおか・としき)町長が花を手向けたほか、漁港に設置された祭壇に参列者が玉串を捧げました。
これに先立ち、広村堤防では、地元の広(ひろ)小学校の6年生と耐久(たいきゅう)中学校の3年生が堤防に土を盛って補強し、手を合わせて梧陵に感謝しました。
広小学校6年の横田善(ぜん)くんは「梧陵さんは堤防を作って広川町のみんなを守ってくれた人です。ありがとうの気持ちを込めて土を盛りました」と話していました。
耐久中学校3年の山口姫佳(ひめか)さんは「学校の授業で津波の率先避難者になることを教えられました。広川町が津波防災の町として世界に知られていることをもっと広められるよう、頑張りたいです」と話していました。
広川町では、きょう、南海トラフ巨大地震を想定した津波避難訓練も行われ、JR紀勢線の車両の乗客や町民らが 高台の広八幡宮(ひろはちまんぐう)まで走って逃げました。