みなべ町で産卵したウミガメを衛星で追跡 絶滅危惧、保護へ生態解明
2023年10月28日 16時14分
アカウミガメの産卵期の回遊ルートを解明しようと、大阪府のNPO法人がみなべ町(ちょう)の砂浜に来たカメに発信器を取りつけ、人工衛星を利用して追跡する調査に取り組んでいます。
アカウミガメは絶滅も心配されていて、個体数を大きく左右する雌の生態を詳しく知ることで、保護につなげるのが狙いです。
アカウミガメにとって日本は、北太平洋では唯一、世界全体でも有数の産卵地です。
生まれたカメは5年から7年かけて太平洋を横断し、成長した後、再び日本に戻って交尾し、主に太平洋側の砂浜で産卵します。
「日本(にほん)ウミガメ協議会」が行っている調査はみなべ町の砂浜に来たカメに発信器を装着して追跡するもので、2019年から毎年2匹ずつ、去年までに8匹を調べました。
このうち、昨年度に追跡した大型の個体は常に岸からの距離を保って移動していたことが分かり、定置網などの沿岸漁業で魚に混ざって捕らえられるリスクを避けることで、長生きしているとも推測されました。
協議会の松沢慶将(まつざわ・よしまさ)会長は「どこでどんな脅威にさらされているのかを明らかにするため、データの蓄積を進めたい」と話しています。