維新・林県議への離党勧告・和歌山県総支部幹事長「決定は100%適切」
2023年10月27日 22時35分
党が定めた自治体への寄附が行われていなかったとして、和歌山県議会・和歌山市選出の林隆一(はやし・りゅういち)議員60歳に、所属する日本維新の会・和歌山県総支部が下した離党勧告の決定について、きょう(27日)県総支部の浦平美博(うらひら・よしひろ)幹事長が和歌山放送の取材に応じ「林議員は1期目に県総支部の幹事長を務めていたにもかかわらず、所属議員に課された“身を切る改革”を全く実行していない。党紀委員会でも本人の口から納得のいく説明がされなかった。県総支部の対応は100%適切だった」と強調しました。
日本維新の会は「身を切る改革」を示すため、所属の地方議員に対して、議員報酬の一部をそれぞれの自治体などに寄附することを義務づけていて、選挙で公認を受ける条件となっています。ただし、任期中に全額を寄附出来ない場合は、理由を付けて県総支部に報告することも定められています。
林議員によりますと、1期目の任期満了直前のことし1月、寄附の不足分として海南市への寄附を検討していましたが、県・選挙管理委員会に相談したところ「4月の選挙前の近隣の都市への寄附は避けた方が良いのではないか」とされたため、再選後に寄附を行うと書面で報告し、いったんは了承されました。
その後、林議員は4月の県議選で党の公認を受けて再選し、ことし7月、豪雨災害で被災した紀美野町へ義援金500万円を寄附し、県総支部に報告しましたが、県総支部は林議員から1期目の寄附が実行されていないと判断し、党紀委員会での審議を経て林議員に離党を勧告しました。林議員は不服を申し立てましたが、却下されました。
浦平幹事長によりますと、ことし6月の幹事長就任後、紀美野町への義援金報告をきっかけに林議員の寄附状況を調べたところ、1期目の寄附の実績が全くないことがわかり、党本部に相談したところ「身を切る改革を全く実行していない」と厳しく指導されたということです。
その後開いた、県総支部の党紀委員会で林議員に事情を尋ねましたが、同席した弁護士を通じてのみ回答するだけで、本人の言葉で明確に説明されなかったとして、離党勧告を決定し、党本部も了承したということです。
浦平幹事長は「寄附に関する規定は、党本部からかつて幹事長だった林議員にも通達されていて、率先して身を切る改革を行うべき立場だった」と指摘しました。
林議員は、おととい(25日)の記者会見で、寄附が遅れた理由を、当時県総支部の幹事長だった山野麻衣子(やまの・まいこ)政務調査会長に書面で提出し、承認されていたと説明しましたが、浦平幹事長は「林議員は1期目に寄附を一部していたと言って山野氏に書面を提出し信用させたが、実際には寄附を全くしていなかった」と否定しました。
その上で浦平幹事長は「党本部からも『身を切る改革は、自ら毎月地道に議員報酬から寄附を行うことがすべてだ。仮に、再選できなかった場合でも林議員は紀美野町へ寄附したのか』と問われ、何も言えなかった。今回の件は、県総支部として、きちっと対応したと思っている」と述べました。
一方、林議員によりますと、きょうまでに県総支部へ離党届を提出し、受理されたということで、今後は無所属で議員活動を続ける方針です。
林議員は、和歌山市議会議員を経て、2015年4月の県議会議員選挙で和歌山市選挙区から初当選し、現在2期目で、県総支部の幹事長を務めました。