修験道の「行者堂」再建 青岸渡寺で150年ぶり

2023年10月21日 16時41分

歴史・文化

那智勝浦町の世界遺産、青岸渡寺(せいがんとじ)できょう(21日)、明治の修験道廃止令で取り壊された山伏の修行拠点「行者堂」がおよそ150年ぶりに再建され、落慶法要が営まれました。

落慶法要では、修験道グループ「熊野修験」の山伏らおよそ150人が集まり、護摩をたいて完成を祝いました。

完成した行者堂は木造平屋建てで、取り壊しの際に寺の本堂に移されていた修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)像を祭っています。

熊野古道沿いに建てられ、寺の三重の塔と那智の滝を望むことができます。

青岸渡寺(せいがんとじ)によりますと、行者堂としては日本一の規模ということです。

熊野修験の修行も途絶えていましたが、高木亮英(たかぎ・りょうえい)住職が1988年に再興し、寺から奈良県吉野町の金峯山寺(きんぷせんじ)まで歩く「大峰奥駈道(おおみねおくがけみち)」の修行を復活させ、一般にも門戸を開きました。

 高木住職は「紛争の絶えない世の中。人を思いやり、慈しむ心を再生させる修験の根本道場として活用し、世界へ発信したい」と話しまていました。

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