第2回和歌山県人会世界大会・田辺市で高校生と在外県人のシンポジウム
2023年10月07日 18時35分
中南米に移民した和歌山県出身者の子孫と、次世代を担う高校生が交流するシンポジウムが、きょう(7日)田辺市文里(もり)のガーデンホテル・ハナヨアリーナで開かれました。
これは、和歌山県主催であす(8日)まで行われている第2回「和歌山県人会世界大会」を記念したもので、ブラジル、メキシコ、ペルー、アルゼンチンの中南米4カ国の和歌山県人会の日系人らが参加しました。
はじめに、母方の祖父が和歌山県出身のブラジル移民で、武蔵大学社会学部のアンジェロ・イシ教授が「和歌山と世界をつなぐ“日系人”と“若者”のポテンシャル」をテーマに基調講演しました。
イシ教授は、90年代以降増えた日本へ働きに来たブラジル人の青年たちが日本への強い愛着を持っていることを示した一方、日系4世へのビザの発給条件が厳しいことも指摘し「4世たちも日系人・ブラジル人・和歌山人といずれのアイデンティティも強く持っている。日本や和歌山へ来たいと願う4世たちとの相互交流促進のために、理解と開かれた姿勢を示して欲しい」と訴えました。
このあと、県立田辺高校の生徒による国際交流や地域貢献グループ「SEEKER(シーカー)」のメンバーが「相互交流を深めるため、ここ田辺市で『中南米フェスティバル』を企画して、より多くの県民に県人会のことを知ってもらう事が大切ではないでしょうか」と提言しました。
みなべ町からブラジル・南マットグロッソ州に移民した谷口史郎(たにぐち・しろう)さん73歳は「高校生たちが交流促進を提言してくれたことを本国にも報告したいです。感激しています」と話していました。
きょうはこのほか、中南米4カ国の県人会の活動報告やパネルディスカッションも行われ、次世代交流のあり方について意見交換が繰り広げられました。