和歌山市で特殊詐欺「あなたに老人ホームの入居権ある」5千万円詐取
2023年10月06日 19時16分
和歌山市内の70代の女性に、住宅メーカーの社員を名乗る男が、電話で「新しくできる老人ホームにあなたが入居する権利がある」などと持ちかけ、現金5300万円あまりと、電子マネーで8万円をだまし取られる特殊詐欺事件が発生し、和歌山東警察署が捜査するとともに、このような手口にだまされないよう、県民に強く注意を呼びかけています。
和歌山東警察署によりますと、ことし(2023年)6月中旬ごろ、和歌山市内の70代の女性宅に、住宅メーカーのタチバナと名乗る男から電話があり「あなたに新しく出来る老人ホームの入居権利がある。その権利を高齢女性に譲って欲しいので、応じてくれれば名簿からあなたの名前を削除する」と持ちかけ、女性は応じたということです。
その後も男から電話で「名簿から名前を削除するには1000万円が必要」などと言われ、女性は300万円を宅配便で男の指定先へ送ったほか、手続き費用も請求され、コンビニエンスストアで購入した電子マネーで支払いました。
その数日後、今度は老人ホームの顧問弁護士を名乗る男から電話があり「名義貸しで金融庁の調査が入る。金融庁に預金総額を伝え、現金を確認してもらう必要がある」と言われ、住宅メーカーの男の時と同じように、現金5千万円を宅配便で数回にわたって小分けして男の指定先に送ったほか、書類の作成費用として、指定された金融機関の口座に23万円を振り込みました。
女性は、その後、男らからの連絡が途絶え不審に思っていたところ、今月(10月)4日に他府県の警察から連絡を受け、特殊詐欺被害に気づいたものです。被害総額は現金でおよそ5323万円、 電子マネー8万円分にのぼりました。
和歌山県警では「このような電話は、特殊詐欺事件の手口なので、すぐに電話を切って、特殊詐欺被害防止専用の『ちょっと確認電話』まで通報して欲しい」と県民に十分注意するよう呼びかけています。
電話番号は通話料無料のフリーダイヤル0120(508)878番です。数字の語呂合わせで「これは、わなや」と覚えてください。