第45回「サントリー地域文化賞」和歌山市の和歌祭保存会が受賞

2023年09月13日 18時02分

歴史・文化社会

地域文化の発展に貢献した個人や団体を表彰する、ことし(2023年)の「サントリー地域文化賞」に、和歌山市の「和歌()祭(わかまつり)()保存会」を含む、全国5つの団体が選ばれました。

「和歌祭」の神輿おろし(2022年5月15日・和歌山市・和歌浦東照宮)

公益財団法人・サントリー文化財団は、1979年の創設以降、全国各地で芸術や文化、伝統の保存と継承、環境美化、国際交流などに尽力する個人や団体を顕彰しようと「サントリー地域文化賞」をつくり、これまでに、235件を表彰してきました。

45回目となることし、あらたに受賞した5団体のうち、和歌山市の和歌祭保存会では、400年前から和歌山市の和歌浦を中心に、毎年5月に開催している和歌祭で、徳川家康のみたまを勇壮な神輿に乗せ練り歩くほか、1000人以上の「株」と呼ばれるグループが、踊りや歌など40種以上の芸能や仮装を繰り広げていて、紀州徳川家の栄華をいまに伝えています。

和歌山大学による「お舟歌」と「唐人」

この中で、和歌山大学と協働して、廃れてしまった「お舟歌(ふなうた)」や留学生が参加しての「唐人()()()(とうじん)」の復刻、さらに、高校生の神輿の参加といった若い世代への継承にも力を入れています。

受賞理由について説明する国際日本文化研究センターの磯田教授(右)(9月13日・和歌山県庁)

きょう午後、和歌山県庁で記者会見した、選考委員で国際日本()文化研究センターの磯田()()史(いそだ・みちふみ)()教授は「各地の東照宮祭礼に見られた徳川家康の威光の“見える化”が、時代と共に失われるなか、御三家の一つ・和歌山は、大学や地域と連携して文献などから祭の意義や時代考証を守りつつ、次の世代への継承も行っている点はさすがだ」と高く評価しました。

受賞の喜びを語る和歌祭保存会の和中会長

同席した和歌祭保存会の和中()()喜夫(わなか・みきお)()会長は「保存会一同、本当に感謝している。地域の深い理解と協力のおかげだ。400年続いている和歌祭を後の世代につなぐべく、この受賞を力に、さらに頑張りたい」と喜びを語りました。

県内でサントリー地域文化賞を受賞するのは、2009年の田辺市の南方熊楠()顕彰会以来4件目、全国では、今回受賞した5件をあわせて、240件となりました。

なお贈呈式は、来月(10月)31日に大阪で行われる予定です。

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