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和歌山高速道路事務所 防災セミナー 稲むらの火の館館長講演

2023年09月04日 18時30分

災害・防災社会

今月(9月)1日の防災の日にあわせて和歌山県内の高速道路を管理するNEXCO西日本・和歌山高速道路事務所で防災学習セミナーが行われ、広川町の稲むらの火の館の館長を務める﨑山光一(さきやま・こういち)さんが「濱口梧陵の危機管理」と題して講演しました。

講演する﨑山さん(2023年9月1日・NEXCO西日本和歌山高速道路事務所で)

NEXCO西日本・和歌山高速道路事務所では、毎年、防災の日にあわせて職員を対象に防災訓練を行っていますが、今年は、訓練に加えて、防災学習セミナーを開きました。

講師を務めた﨑山さんは、濱口梧陵の語り部活動をしながら2007年から7年間、湯浅御坊道路の料金所で働いていた経験があり、今年7月に着任した井戸祥文(いど・よしふみ)所長がそのことを知り、セミナーの講師を依頼しました。

セミナーは、「濱口梧陵の危機管理」というテーマで2時間にわたって行われ、﨑山さんは、江戸時代末期に、大地震の後、津波が来ることを察知し、稲わらに火をつけ、村人に知らせて多くの命を救った濱口梧陵の「稲むらの火」の逸話を交えて、梧陵の津波防災に対する姿勢を紹介しました。

また、﨑山さんは、梧陵が、教育や医学の面でも多額の出資と人材の育成を通して大きく貢献したことを紹介し、「なかでも、剣術や国学を教える稽古場として開設された『耐久社』は、当時、アメリカの脅威にさらされていた日本の、国防を強化するためのもので、梧陵が実践した危機管理の一端だ」と指摘しました。

セミナーには、NEXCO西日本・和歌山高速道路事務所の職員およそ60人が参加し、時折メモをとりながら﨑山さんの話に聞き入っていました。

井戸所長は、「講演を聞いて、濱口梧陵の、社会に貢献しようとする熱意に強い感銘を受けた。命の道と言われる高速道路を守る立場として、職員の皆さんにも、高速道路をしっかりと守ることで、社会に貢献するという意識を深めてもらえたと思う」と話しました。

講演した﨑山さんは、「以前、仕事をしていた職場に講師として呼んでもらえて、とてもうれしかった。今後もさまざまな要請に応えて出前講座を行っていきたい」と話しました。

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