NPO防災講座 AEDテーマに 和歌山県和歌山市で開催
2023年09月01日 20時03分
AED・自動体外式除細動器の使い方などを学ぶ防災講座が、防災の日を前にしたおととい(8月30日)、和歌山県和歌山市で開かれ、NPOを運営する関係者らが参加しました。
これは、和歌山県NPOサポートセンターが県内のNPO法人を対象に「NPOのための防災講座」として毎年、テーマを変えて開いているもので、AEDをテーマに行われた今年の講座には、およそ30人が参加しました。
講座では、はじめに和歌山市消防協会・防災学習センター長の山本正秀(やまもと・まさひで)さんが、AEDの使い方や、蘇生方法などを、座学と、人形を使った実践を交えて紹介しました。
この中で、山本さんは、AEDの使用にあたり、胸に張るシートを何度も張りなおして粘着力を弱めてしまわないよう呼びかけたほか、長時間、心肺蘇生法を行うコツとして、肘を曲げずに伸ばし、掌(てのひら)の手根部(しゅこんぶ)で胸骨を圧迫することなどをアドバイスしました。
また、山本さんは、「119番通報した際には、携帯電話のスピーカーフォン機能を使って消防からの指示や説明を受けることで安心して取り組める」と指摘しました。
この後、県立熊野高校2年で、サポーターズリーダー部の女子生徒5人が、顧問を務める上村桂(うえむら・かつら)教諭とともに登場し、2019年から先輩が製作し普及に取り組んできた、AEDを使う際、肌が露出しないよう身体を覆う「AEDハートフルシート」を紹介しました。
この中で5人は、全国の高校でのAEDの使用率について、男子生徒が83%なのに対し、女子生徒が56%しかないことや、その理由が、胸などの露出を気にした結果であることを指摘し、シートの開発につながったことを説明しました。
この後、物価の高騰で値上がりしたシートの素材を確保するため、サポーターズリーダー部として、JR西日本から、電車の忘れ物として処分される折り畳み傘の提供を受け、傘の生地をつなぎあわせてシートを制作し始めたことを紹介しました。
講座に参加した、制服のリユースに取り組んでいるNPO法人「はぐくみ」の木野亜由美(きの・あゆみ)さんは、「AEDの使い方などは初めて知ることが多く、とても役に立ちました。高校生が作る手作りのシートについては、使われなくなった傘を再利用するということで、とても関心があります」と話していました。