和大ソーラーカープロジェクト 10月豪州レースへ準備大詰め
2023年08月04日 19時28分
和歌山大学の学生が、オーストラリアで開催されるソーラーカーの世界大会出場に向けて、最終の準備を進めています。
和歌山大学では、2002年に学部を横断したメンバーによるソーラーカープロジェクトが設立され、2006年から国内でのレースに出場していて、2016年には、優勝した経験もあります。
今回、プロジェクトが出場を目指しているのは、オーストラリアで開かれる世界最大級の大会で、ダーウィンからアデレードまでオーストラリアの砂漠などを北から南へ縦断する3000キロに及ぶレースです。
プロジェクトには、和歌山大学の4つの学部からあわせて73人が参加していて、車体、電装、総務の3つの班に分かれて、デザインや設計、車体の製作から資金集めまですべての工程を学生だけで行っています。
和歌山大学のソーラーカープロジェクトは、2年前の世界大会出場を目指していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、今回、満を持しての出場で、完走を目指しています。
プロジェクトの代表を務めるシステム工学部4年の田所遥斗(たどころ・はると)さんは、「過酷な環境ですが、ソーラーカーに関わる者にとってオーストラリアは、大きな目標で、わくわくする場所。以前の車より良いものを作り、完走したい」と話しました。
大会は、10月22日から27日にかけて行われ、レース中は、ソーラーカーの前後に別の車両でメンバーが並走し、道路状況を確認して伝えるとともに、故障などのトラブルに備えます。
この大会を前に、和歌山大学の近くにあるノーリツ鋼機の敷地内では、ソーラーカーの整備が大詰めを迎えています。
取材に訪れた7月下旬には、キャノピーと呼ばれる操縦席を覆う窓を開閉させるための部品を取り付ける作業が行われていました。
作業をしていたシステム工学部2年の大倉啓輔(おおくら・けいすけ)さんは、「車体の整備のため、オーストラリアに行きます。大会には、未知な部分が多いですが、出場に向けて作業をするのは楽しく、絶対に完走したい」と話し、経済学部1年の津本明奈(つもと・あきな)さんは、「今回、オーストラリアには行けませんが、いまのうちに勉強して、いずれは先輩たちの伝説を追いかけたい」と話していました。
プロジェクトでは、7月に白浜町の空港跡地でソーラーカーの試走を行い、時速60キロから80キロで走行し、データをとりました。今後、ソーラーカーを船便でオーストラリアに送った上で、17人のメンバーが10月初めに現地に入り、大会前の車検を経てレースにのぞみます。
代表の田所さんは、「大会が近づくにつれ、緊張感が高まっていますが、残りの時間で、車をブラッシュアップして完走したい」と話しています。
プロジェクトでは、スポンサーを募り、和歌山県内を中心に37社の企業から寄付や部品供給などの協力を受け、ソーラーカーを製作していますが、オーストラリアへの渡航費用などは、学生の自腹ということで、個人や企業に対し、さらなる寄付を募っています。
詳しくは、和歌山大学ソーラーカープロジェクトのホームページで確認できます。