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被害者家族が現場で追悼 毒物入りカレー事件25年

2023年07月25日 18時54分

事件・事故社会

1998年、和歌山市園部の夏祭り会場でカレー鍋にヒ素が混入され、4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒になった毒物入りカレー事件からきょう(7月25日)でちょうど25年となり、蝉の声が響く中、「被害者の会」の有志が事件現場となった空き地に花を手向けました。

事件現場に花を手向け、手を合わせる杉谷さん(2023年7月25日)

現場を訪れたのは、「被害者の会」副会長の杉谷安生(すぎたに・やすき)さん76歳で、25年前、高校2年生だった長女がカレーを食べ、激しい頭痛や嘔吐に襲われ入院しました。

杉谷さんは、きょう午前8時、事件現場となった和歌山市園部の空き地を訪れ、ユリやキクの花を手向けました。

きょう取材に応じた杉谷さんは、「あっという間の25年だった。被害に遭った長女の娘が、当時の長女の年齢に近づいていて、もうそんなに時間がたったのか、と思わされる。25年前、何の疑いもなく食べて亡くなった人たちがどれだけ無念だったか、と思う。事件のことは、絶対忘れないし、亡くなった人には、安らかに眠ってくださいと言いたい」と話しました。

取材に応じる杉谷さん

被害者や遺族から「事件を思い出したくない」という声が上がり、地元自治会による慰霊行事は、2010年以降、開かれていませんが、杉谷さんは、毎年、有志で献花を続けてきました。

事件発生から25年の節目を迎えた杉谷さんは、「こういう事件は、明日どこで起こっても不思議ではないので、風化しないでほしいという思いがある。できる限り献花を続けていきたい」と話しました。

事件現場となった空き地は、当時より狭くなっている

事件では、殺人罪などに問われた林眞須美(はやし・ますみ)死刑囚62歳に対する和歌山地方裁判所の判決が2009年に最高裁判所で確定しましたが、林死刑囚は、一貫して無罪を主張し、再審請求を申し立てています。

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