平和のための戦争展わかやま 2023開催 15日と16日
2023年07月15日 18時39分
和歌山県内に残る戦跡や戦争に関する資料を紹介する「平和のための戦争展わかやま」がきょう(7月15日)から和歌山市の和歌山県勤労福祉会館・プラザホープで始まり、展示とともに落語や講演会が行われました。
この展示会は、和歌山県教職員組合などでつくる実行委員会が、戦争の悲惨さを伝え、人の命の大切さや平和の尊さを訴えようと毎年開いているものです。
会場では、軍隊手帳や戦時中の衣服など県内の遺族から提供された遺品の展示をはじめ、今年は、紀伊半島西部を走る紀勢線の線路敷設工事に従事した朝鮮人労働者の実態を示す記録や写真のほか、太平洋戦争直前の中国で従軍カメラマンにより撮影された写真などが展示されています。
実行委員会の事務局長を務める里﨑正(さとざき・ただし)さんは「長年、展示会を続けてくる中で、毎年のように、資料を寄贈したいという申し入れがある。多くの人に、特に若い人たちに来場してもらいたい」と話しています。
また、展示会にあわせて初日のきょうは、和歌山市のアマチュア落語家、ゴスペル亭パウロさんが、「私の名前は第五福竜丸」という落語を披露し、1954年3月にビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくした第五福竜丸が、3度にわたる廃船の危機を乗り越え東京・夢の島に展示されるまでを描きました。
また、この後、京都精華大学専任講師の白井聡(しらい・さとし)さんが「自衛隊 専守防衛をなげすて 米軍とともに敵基地攻撃!」と題して講演しました。
この中で、白井さんは、「日本は、この30年間、政治や経済政策、外交で最悪の選択肢ばかりを選んできた経緯があり、このままいくと、十中八九、中国と戦争をすることになる。これを回避する方法は、このままでは戦争になるということに多くの人が確信を持つこと。そんなことが起きるはずはない、と思っている限り、戦争は起きてしまう」と指摘しました。
この「平和のための戦争展わかやま2023」は、あすも午前10時から午後1時まで和歌山市手平のプラザホープで開かれ、紀州鉱山の真実を明らかにする会の金靜美(キム・チョンミ)さんによる講演などが行われます。入場は無料です。