「紀州の忍術で社会を明るく」 和市で講演会

2023年07月06日 17時58分

イベント教育歴史・文化社会

江戸時代の紀州藩士が記した忍術の書「正忍記(しょうにんき)」から人間同士のコミュニケーションを学ぼうという講演会が、このほど(7月2日)、和歌山市で開かれました。

和歌山市の県立博物館2階で開かれた講演会

これは、和歌山市BBS会が、社会を明るくする運動の一環として2015年から毎年、正忍記(しょうにんき)を読む会会長の福田光男(ふくだ・みつお)さんを講師に招き、「紀州の忍術で社会を明るく」をテーマに、毎回演題を設定しています。

今年は、「心と心のふれ合いが、いのち輝く!忍術がいきいき活きる」という演題で福田さんが講演しました。

講演する福田さん

この中で、福田さんは、紀州藩士の名取三十郎正澄(なとり・さんじゅうろう・まさずみ)が記した日本三大忍術伝書とされる『正忍記』を紹介し、「忍者は、人がどんな気持ちの時に、何を話したくなるのかを分析できる心理学者だった」と指摘した上で、「相手に話をさせようと思ったら、警戒心を解かせるのが第一段階。『正忍記』では、警戒心を目に見えない門にたとえ、心の門を超えるには、まず他愛ない世間話から始め、話の本筋に入ったら、相手を持ち上げ、相手に気づかれずに、秘密を聞き出すことが書かれている。さらに相手を論破したり打ち負かしたりすると関係が終わってしまうので、相手の心を見ながら、『うつけのふり』をするよう指南している」と話し、相手の立場で心理を読む重要性を指摘しました。

講演を聞いた和歌山市の男性は、「この講演会に参加するのは、3度目だが、福田さんの話は、毎回、とてもわかりやすく為になる」と話していました。

主催した和歌山市BBS会の高垣晴夫(たかがき・はるお)会長は、「今回の講演では、生き抜く、ということについて、考えてもらうきっかけになれば」と話し、「今後も、命がかけがえのない尊いものであるというメッセージを発していきたい」と力を込めました。

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