法人企業景況判断・2期連続で「下降」超
2023年06月14日 19時37分
近畿財務局・和歌山財務事務所は、ことし(2023年)4月から6月にかけての和歌山県内に本社のある企業の景気予測調査の結果を公表し、景気が「上昇する」と答えた企業から「下降する」と答えた企業の数を引いた割合が、前回・1月から3月期に続いて2期連続で「下降する」の方が多くなりました。
この調査は、四半期ごとに行われていて、今回は、先月(5月)15日の時点で和歌山県に本社のある資本金1千万円以上の企業と、資本金1億円以上の電気・ガス・水道・金融保険業、あわせて110社に調査を行い、88・2%にあたる97社から回答を得ました。
この中で、4月から6月にかけての景況判断は、すべての産業で「下降した」と答えた割合が「上昇した」と答えた割合を上回り、マイナス8・2ポイントとなりました。
前回・1月から3月期のマイナス12ポイントより下げ幅は縮まりましたが、下降が上回ったのは2期連続です。
業種別では、製造業は下降幅が拡大しましたが、非製造業は上昇と下降が均衡しました。
規模別では、大企業は上昇が上回った一方で、中堅企業と中小企業は下降が多くなりました。
企業からは「スマートフォン関連で中国市場の需要が落ち込み、生産調整をしている」「公共工事の数が少なく、受注が減少している」という声が聞かれた一方、「感染症の影響が少なくなったことから、宴会の予約が増え、売り上げも増加している」という声も聞かれました。
今後の見通しについては、すべての産業で、次の7月から9月と、10月から12月は、ともに「上昇する」と予想する企業が多くなっていて、コロナ禍の収束に伴う人流と経済の回復を見込んでいます。
雇用については、すべての産業で人材が「不足気味」と答える企業が多くなっています。
売上高は電気・ガス・水道・金融保険を除くすべての産業で、前の年度より増収と見込む企業が多くなっています。
経常利益は製造業が黒字転化と見込む一方、非製造業は減益の方が多いとみています。
設備投資については、製造業は前の年度より減少すると答えた企業が多く、非製造業は増えると答えた方が多くなっています。