サンマ不漁に黒潮影響か、漁場移動のメカニズム解明
2023年06月11日 11時41分
2019年から続く、サンマの歴史的な不漁は、黒潮が紀伊半島沖で南に大きく迂回する「大蛇行(だいだこう)」が起きた影響で、黒潮の延長となる海流が例年より北上し、三陸沿岸の海水温を上昇させたことが要因となっている可能性が高いという分析がまとまりました。これは、漁業情報サービスセンターの研究チームが分析したものです。
専門家は、日本近海では、寒流内で漁獲されるサンマが、北上した黒潮の延長となる海流の暖かい水に阻まれて、三陸沿岸に寄らなくなり、漁場が東に移動したことが、歴史的な不漁につながったとみています。国際的なサンマ争奪戦で資源不足となる中、海洋環境の変化が追い打ちをかけた形です。
専門家は、黒潮の大蛇行とサンマ不漁のメカニズムが明らかになるのは、初めてとしています。