コンビニ店員に感謝状 特殊詐欺被害の未然防止で
2023年06月07日 18時44分
多額の電子マネーを購入しようとした男性を思いとどまらせて詐欺被害の防止に一役買ったとして、和歌山西警察署はきょう(6/7)、和歌山市のコンビニエンスストアの店員3人に感謝状を贈りました。
感謝状を受けたのは、和歌山市のローソン和歌山新堀東二丁目店のアルバイト店員、寺田靖子(てらだ・やすこ)さん48歳と、山路柚巴(やまじ・ゆずは)さん24歳、それに田中雄斗(たなか・ゆうと)さん20歳の3人です。
3人はきょう午後、アルバイト先のローソン新堀東2丁目店で、大野矢雄(おおの・ちかお)署長から感謝状を受け取りました。
警察などによりますと、今年(2023年)4月26日の午後3時頃、来店した50歳代の男性が、2万円分の電子マネーを購入しようとしたことを不審に思った寺田さんが、使い道を尋ねたところ、男性が「SNSで知り合った『マネードクター』という会社に支払う」と話したことから、男性客を引き留めておくよう山路さんと田中さんに頼み、インターネットで検索すると『詐欺』というキーワードが出てきました。このため、普段から電子マネーを使っている田中さんや、山路さんと相談して男性が特殊詐欺の被害に遭っていると判断し、110番通報しました。
寺田さんは、「高額ではなかったものの、普段から電子マネーを利用しているように見えなかったため、使い道を聞く中で出てきた『マネードクター』を検索して、男性に「詐欺ではないか」と指摘しましたが、信じ込んでいたので、次の被害を食い止めるためにも、2人と協力して警察官が到着するまで男性を引き留めておきました。少額の被害も積もれば多額となるので、これからもこうした対応を続けていきたい」と話しました。
また、山路さんは、「帰ろうとする男性を警察官が到着するまで引き留めていました。こうした声掛けで詐欺の被害を減らすことができれば」と話し、田中さんは「普段から電子マネーを使っていますが、決済の時にコードを送れ、という指示はおかしいと思ったので、詐欺だと思いました。初めての経験だったので、少し慌てましたが、冷静に対応できたと思います」と振り返りました。
和歌山西警察署・生活安全課の今井堅二(いまい・けんじ)課長は、「特殊詐欺の手口が日々、変わっていく中で、警察だけで被害を抑止するのは難しい状況。この店は、去年にも同じように特殊詐欺被害を未然に防いでくれていて、こうした店がもっと増えて官民一体の犯罪抑止体制が築いていければ」と話し、今後も民間企業への協力を呼びかけていくことにしています。
また、被害に遭いかけた男性は、この時までに電子マネーを購入する方法で、すでに数回にわたり現金をだましとられていたことがわかっていて、今井課長は、「ここで被害を止められていなければ、男性は、お金が尽きるまで払い込んでいた可能性もあるので、少額でも食い止めてくれるのは、ありがたい」と話しました。