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世界遺産・補陀洛山寺で渡海上人の供養

2023年05月17日 22時15分

歴史・文化

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」のひとつ、那智勝浦町(なちかつうらちょう)補陀洛山寺(ふだらくさんじ)で、きょう(17日)海の向こうの西方浄土(さいほうじょうど)を目指して小舟で旅発ち、再び戻ることの無かった「渡海(とかい)上人(しょうにん)」と呼ばれる僧侶たちの供養が行われました。

平安時代から江戸時代にかけて、この地域では、西方浄土を目指した20人の僧侶が、わずかな水と食料、あかり取りの油を積んだ小さな舟に乗せられて、浜から海へ出る「補陀落(ふだらく)渡海(とかい)」とよばれる行を行い、僧侶は、死の直前までお経を唱えたと伝えられています。

その後、補陀落渡海は、亡くなった僧侶を送り出す水葬の形式に変わり、現代に伝えられています。

きょう、補陀洛山寺の本堂で法要と護摩だきが行われたあと、高木(たかぎ)()(えい)住職41歳が、裏山の墓前で読経しました。高木住職は「世界平和と疫病退散を祈りました。平安時代から続く信仰の歴史を 後世に伝えたい」と話していました。

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